関東制覇に向けて
※前話から連続更新しております
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坂本龍司
伊豆に帰還した俺はお市ちゃんと氏政君の縁談を報告した。大殿は早くないか?と言っていたから、氏政君を尾張へ向かわせお市ちゃんには相模に来て二人の交流から始めることを懸案した。
永禄二年の1556年の年始、大評定の後に大殿と重鎮達が集まった。話は常陸国の佐竹さんの話になった。
「常陸を取れば悲願の関東平定が実現しまする!」
「いかにも!国力の差は歴然でごいますれば、今こそ攻めましょうぞ」
重臣達はさっさと攻めてしまえ!みたいな雰囲気だ、俺は反対だからどう言おうか考えていると・・・
「父上、私は反対です。常陸を平定すれば間違いなく岩代や盤城、更には奥州との争いに巻き込まれます。下野の上部では既に余談ならない状況なれば、現状維持がよろしいかと思われます」
そう、東北の争いに巻き込まれるのは悪手なんだ。泥沼でしかないし結局蝦夷まで平定することになる、今はまだ早い。やるとしたら長尾家と共闘しないとダメだ。
「更に申し上げれば、佐竹が上と下で別れているのは佐竹殿が敢えて統一していないと私は見ています。佐竹殿も常陸を平定すれば、上にいる勢力の争いに巻き込まれるのを危惧している様子。いずれ北条に降る事を考え、今は北条の盾として常陸から上へ睨みを利かしているかと。降る前から功を立てていると考えれば、努努油断ならぬ方かと」
驚いた、俺ですらそんなこと知らない。思わず智を見ると小さく頷いた、いやいやいくらなんでも優秀すぎるでしょ!!
「北条は安泰だな」
思わず零した一言にみんなが俺を見た。
「も、申し訳ございません。つい・・・」
「いや、皆も同じ気持ちじゃ。儂なんて身震いしてもうたわ」
氏政君の覚醒が知れたこの話し合いは、現状維持という事で終わった。
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