北条家のあれこれと、剣術指南
坂本龍司
1ヶ月後、俺達の屋敷が完成した。庭も広いく、鍛錬も出来る!評定の時に北条家の皆さんに自己紹介したけど、まあよく思ってない人もちらほらいたね。結果で示せば大丈夫でしょ。
氏康様にお願いして、直轄領のあちこちに孤児院を建てて貰った。その内北条の持つ領地全域でやりたいね。学校と病院は2つ立てることになったし、街道の整備も順調だ。
病院では清子の元に、城で働いてる女性や領内で手の空いてる農民などを呼んで、早急に体制を整えている。
誠子は色んな城を転々とし栄養バランス等を叩き込んでいる。聞こえてくる話では結構スパルタらしい。
吉虎は工房で職人に指導しながら四六時中、鉄砲を作りまくってる。木兎は港を拡大するための指示を出したり、船大工を育成したりと皆大忙しだ。
職人なんかは、技術を外に持ち出されたら不味いので全員召し抱えた。俺は午前中だけ剣術指南している。家臣やその子供達はもちろん、農民にも1日20名ずつ教えている。
とある家臣
坂本龍司とか言うやつが調子に乗ってると聞いて、剣術指南をしている場所に来たが・・・何者だ?強すぎる。儂らが数人で襲いかかっても、手も足も出ないとは。
「龍司殿は、何故そこまで攻撃を避けられるのだ?」
「んー、私は相手の動きを見ていません。詳しく話すのは難しいですね・・・」
天性のものか。銭払いがいい小癪なやつと思って来てみたが、武の方も素晴らしいとは。憎たらしいが何も言えんの。
五対一か。今儂が乱入すれば一太刀入れることが出来るかもしれん、無粋なのは分かっておるが、頭で理解出来ても心が追いつかん!えーーい!!!
━━━━━まさか蹴られるとはな。
「・・・蹴るのは無しじゃろう」
「何を言ってるんです?死んだら終わりなんです。戦場では何が起こるか分かりません。剣がないなら石を投げ、腕がないなら蹴り、足もないなら噛み付いてでも勝つ。格好なんてどうでもいい、名声なんかは後から勝手についてきますから」
・・・・・なるほどな、勝てんわけだ。見事よな、天晴れだ!!
滝川慶次郎
やっぱバケモンだ!すげえ!!何故当たらない?最初は闇雲に攻撃してたが、やめた。周りの奴らの攻撃をかわす姿を、ずっと見てた。
なんか、殿の雰囲気がいつもと違う?なんと言うか・・・無って感じだ。生き物か迷うほどの静寂。何となく分かってきたぞ!!
「殿〜〜!一回俺とサシでやってくれい!」
「ん、いいぞ?」
互いに構えて、しばらく経つと・・・
「へ〜、掴んだか慶次。流石だな!」
そう言うと、殿の雰囲気がさらに深く、広くなっていった。これは、生き物じゃねえ・・・木?馬鹿でけえ木だ。勝てっこねえよ。
「参りました」
「いや、少し見ただけで掴んじゃうんだもん。凄いよ!先が楽しみだな」
構えただけで終わったことに、周りの奴は驚いてるな。まあ俺でさえ、こんな境地に気づいたのが奇跡でしかねえんだが。
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