第19話 混浴
私はお風呂はゆっくり浸かりたいのだ。そうおばあちゃんに行っても「アンタだって濡れているから入りなさい」と、言われた。抵抗虚しく好きであふれている隙だらけの女と混浴している。
「こういう時は襲ってしまうのがいいのだろうか。それともレベルに合わせてやるのがいいのだろうか」
「何言っているの。常葉」
ムニ。
「何すんの!」
そうか乳を触ったというか、押しただけでこの反応か。
参ったな。ではここは一つ。
「あのさ、女の子同士で付き合うの意味分かってる?」
「その手を繋いだり、キスしたり、ハグしたり」
私はシャワーを福子に譲った。先に出てもらおう。
「それ以上は知ってる? セックスだってするんだよ」
「セッ、クス。その男女の営み的な」
「それを女の子同士でやるの。やってみたらもう男の子相手では満足出来ないよ。
「でもさ」
寒いだろ。床に正座するな。
「私は本気だよ。そのセッが、何をするか分からないけど、その痛いのはいやだけど、そうじゃないなら、常葉とお付き合いしたい所存であります」
ゴリラのくせに所存なんて知っているとは思わなかった。
「早く上がって、寒いったらありゃしない」
分かったと言って、さっさと洗い出て行った。
「ゴリラめ。ゴリラのくせに」
こうして無事にお付き合いが始まった。だからといって、ゴリラは変わらない。
「女子野球をしよう。今はペナントレースは始まったばかり、ここで乗らなきゃ誰がやる」
誰も乗らない。なぜなら次の授業は担任の先生だからだ。
「みんな、冷たいよ。冬の寒さは春の温かさと一緒に吹き飛ばそう。恥ずかしがって仕方ないな。自力バッティングドーン」
見事、先生の顔にホームラン。全員があっ、と言ったのが聞こえた。
「学校は何をするところだ?」
「自主性を磨き社会との付き合い方を習得する重要な一過程です」
ゴリラのくせに自主性なんて言葉を知っていたとは少し見直した。
「で、その遊びは自主性を育むことに必要があるのか?」
「こうやって普段しないことをすると以外性を身につけることが出来ます。それにきをてらう考えをゲットするためにはこういう自主活動を」
「おうそうか。そういう自主性やきをてらうなんて難しい言葉を知っているだけ賢くなったな。考え方をゲットするはいただけない。課題欲しいか。そうかそんなに欲しいのか。良かったな、現代国語の課題に自主性という言葉が乗っていて、学力も
ははは、と言いながらこちらを見た。目をそらした。
「すみませんでした」
「これくらいは目をつぶることにした。学校の設備を壊したり、犯罪を犯さなければいい。中学からのそういう兆候があるとの引継ぎもあった。あんまり課しても逆効果だと申し送りもあったようだ。これからは窓を割らないならバッティングでもシューティングでも何でもするがいい」
「じゃ、明日からDIYをしてこの教室を改造しますね。まずはクラスメイトからの意見ももらって、その次はどうしようかな。ハンガーラック作ってもいいですか?」
「学校の設備を壊してとか言ったはずだ」
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