第47話 オタクが好きというより、なにかに夢中になってるキミが好きだって言ってるんだよ
オンラインとオフラインの差は……まぁ少しあった。とはいえ最近のゲームの通信速度は進化しているので、ある程度頑張れば対応できそうだった。そりゃもちろんオンラインの時より実力は落ちるだろうけど……まぁ勝負にはなるだろう。
「じゃあね」練習を終えて、
僕としても
さて練習を終えて深呼吸をして、凝り固まった肩をほぐしていると、
「おはよう」最近聞いていなかった声が聞こえてきた。「調子はどう?」
振り返ると、当然
こうして向かい合うのはずいぶんと久しぶりのことに感じる。最近の
『絶好調ですよ』まだ2人じゃないと声は出ない。『
「私も今日聞いたよ」とんだサプライズだったんだな。「そういうサプライズが好きな人だからね……それも
だろうな。人懐っこくてサプライズ好き。そして案外賢いのが
……僕が
そう考えると、こうして
だからこそ大切にしないといけない。どんな現実でも僕が選んだルートなのだから。
「えーっと……その……」なんか
『重荷じゃないですし、別に言葉なんてなんでもいいですよ』
こうやって
「うーむ……」そんな真剣に考えなくても良いけれど……「じゃあ、一言だけ」
『なんですか?』
「ありがとう」ちょっと想定外の言葉だった。「私に熱中を見せてくれようとしたんだよね? それだけが目的じゃないとしても……それが目的の1つのはず」
……それはそうだけれど……
『最大の目的は僕自身が楽しむためですよ。あなたも、
負けたらチート野郎とか、勝ったら
それくらい今の僕は高ぶっている。目の前の試合だけに集中できるくらいには高まっている。
「じゃあ、そういうことにしておくよ」そうしておいてほしい。「でもね……おかげで見つかりそう。なんとなく……私の熱中ってやつが見えてきた気がする」
『最初から本当は見つかってたんですよ』僕と出会ったときから……すでに
「それはそういうことにはしたくないけれどね」あくまでも僕にお礼が言いたいらしい。「まぁ私の……いろいろな答えは試合の後に伝えるとして……今は、キミに夢中でいさせておくれよ」
『僕の試合に、でしょう』
「試合も含めて、だよ」それから
……試合後のこと……僕は試合が終わったら
……今は余計なことを考えるのはやめよう。
『僕のことが好きなんて、もの好きもいいところですね。オタクとか好きなタイプのギャルですか?』
「オタクが好きというより、なにかに夢中になってるキミが好きだって言ってるんだよ」
なにかに夢中になっている僕……
『今の僕は、熱中しているように見えますか?』
「うん。とても」
『なら良かったです』
ちょっと不安だった。僕の熱中が彼女に伝わっているのかが微妙だったのだ。
伝わっているのなら良い。それだけで良い。仮に試合の後にこっぴどくフラれたとしても問題はない。
……いや……問題はあるな。50年くらい引きずりそう。そして試合にも負けて告白してフラれたりしたら死にたくなりそう。
……せめて優勝しよう……そうしたらフラれてもまだ精神が保てるかもしれない。
さて……
とにかく……開幕だ。
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