第28話 私が作ろうか
その牛丼屋さんの近くにある公園で待ち合わせ。
……女性を牛丼屋に誘うのはマナー違反とか言われるだろうか。いや……ここは面倒くさいSNSじゃないんだ。そんな事を気にしなくてもよいだろう。
となると……やはり僕の目的は
好きというのは非常に広い定義に当てはまってしまうのだ。だからこそ誤解を生む。
たとえば……
そんな事を考えながら歩いていると、かなり早めに目的地についてしまった。
夜の誰もいない公園。たまに夜中に散歩に出かけることはあるが、誰かと待ち合わせというのは生まれて初めての経験だ。
これから
一応香水とかもつけてきてしまった。僕レベルの男が香水なんて使っても効果がないだろうけど……まぁ
そんな言い訳を心のなかでしているうちに、
「こんばんは」
奢られるのは丁重にお断りしよう。それは僕のささやかなプライドである。別に男だから女だからではなく……
「じゃあ、行こうか」
そうして
なにか嬉しいことがあった……わけではないのだろう。これが
さて前を歩く
私服の
そうしてお目当ての牛丼屋にたどり着いて……
「あ、れ……?」お店の前の看板を見て、
どうやら牛丼屋は……今日は休みらしい。文言を見る限り急な休みだったようだ。
間が悪いというかなんというか……運が悪いとしか言いようがない。
「ご、ごめん……」
それはそうかもしれないが……いや、わざわざ近くのお店に行くのに調べてから行かないだろう。しかもこの牛丼チェーン店は365日営業しているはずだ。それが売りのハズだ。こんなアクシデントはさすがに予期できない。
「ど、どうしよう……」
僕がうなずくと、
「じゃあ、私が作ろうか」
……
このコミュ力おばけ……
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