第27話 私の運命の人だぜ
感心したと同時に、
彼女はきっと……なんでもそつなくこなせるタイプなのだ。やればできるタイプ。だけれど……なにかを一定まで極めることができない。飽きっぽいわけじゃないのだけれど……なんでだろう。
『そろそろ夕食?』
『そうですね……』気がつけば7時を過ぎていた。『
『そうだね。いつも適当に食べてるけど、今日はもう食べちゃおうか』ということは、いつもはもっと遅いんだな。『なに食べるの?』
まだ決めてないけれど……
『牛丼が好きなので、食べに行こうかと思ってます』
『キミも牛丼が好きなんだ』ってことは……
……
……
一緒に夕食を?
☆
他の人と一緒に食事をするのなんて、いつ依頼だろう。おそらくその昔……家族と一緒に食べたことがあるのは覚えている。その時はまだ僕も小さな子供だった。
その後、僕は順調にボッチロードを歩いていた。それで良いと思っていたし、後悔したこともない。
はっきり言って、僕は人間が苦手だ。それでも、誰かに好かれたいと思う面倒くさい人間だ。
そんな僕を、どうして
あまりにも気になった結果……僕は
『
『私が言うのもなんだけど、そうだね』
『基本的には困惑しているだけです』稀に迷惑だったりもする。『どうして
『それも親しみの証でしかないんだけど』コミュ力おばけってことか……『まだ大した意味はないよ。ただ仲良くなったから一緒に食べようってだけ。私たちからすれば不思議じゃないんだけどね』
これがトップカーストに位置する人間の思考回路と行動力なのか……とても真似できそうにない。
そんなことを思っていると、
『私は苦手だったわ。あなたのそのノリ』
『衝撃の事実なんだけど。もう10年くらい一緒だよね私たち』そんなに長い付き合いだったのか……『一応解説しておくと、私と
なるほど……
ともあれ、
『すぐ食事とか誘ってくるし、遊びも誘ってくる。私は1人になりたかったのに』
『ごめん……』本気で落ち込んでるのが伝わってくる。『……今後は、気をつけるよ……』
『あなただからいいわよ。他の人に誘われるのは面倒だけど、
ツンデレかよ。
しかしなるほど。
『嫌なら最初から断ってるわ。私は愛想笑いとか苦手だから』
『心の友よ』なんか友情話が盛り上がっているな。『やっぱり
『そうかもね』
……仲良しだなぁ……なんかこういう友情は見ていてほっこりする。僕には……ないものだからな。
さて2人の美しき友情を見届けてから、僕は家を出た。
目的は当然……
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