第37話 コーチ活動
土曜日になり少年野球のコーチとして初日を迎えた。
「ははははは!そのままチームに加わっても違和感無いな」
「ほっといて下さいよ!」
僕は少年野球時代のユニホームを着てみたのだが、なんと入ってしまったのだ。まぁ身体が大きくなると想定して少し大きめのサイズで作ってた奴ではあったんだけど着てみようと思った本人がダメージ受けてしまったのだ。
シューズだけは一応中学で使ってたものだけど、ハッキリ言って完全にチームメイトだ。何人かはチームメイトにこんな奴いたっけ?という顔をしている。
「この前紹介したアイカワだぞ!」
監督がかそういうと「おの時の人か〜」という声があがった。「僕より小さなコーチだ!」って言ったやつ、覚えているぞ!とりあえずお前はベースランニング全力ダッシュで10周な!
という訳にもいかず体を解す大層と柔軟を繰り返しそのあとゆっくりとランニングをする。いくら鈍っているとはいえここで小学生相手にヘバる程じゃない。
その後はキャッチボールをしていく。ここで始めて内野手と外野手の練習が分かれる。外野手は段々距離を離し遠投にして、内野手は取ったら小さいモーションですぐに投げるという練習に変わっていく。ボールを取る時もすぐに投げる事を前提に体の位置取りや角度や腕や足の位置を変えて取る事でモーションを短く早くする事が出来る。投げ終わってもすぐにまた投げ返しやすい体制に戻していく。
僕のキャッチボールの相手をしている僕より大きい奴は、僕が返すボールがどんどん早く鋭く正確になっていくことで驚いている。きれでもいきなり張り切り過ぎて体を傷めないようセーブしてるんだけどね。ついには相手は投げた体勢が戻る前にボールが返って来てしまう事でミスを起こし後逸してしまった。
うんまだ課題が多いね。
外野手と内野手の練習が別れたので、内野手は3人組となりトライアングルでキャッチボールを続ける。僕は飛び抜けて早くボールを投げているのが2人組に加わりキャッチボールをした。
トライアングルのキャッチボールは自分以外のどちらに投げるかを決めないキャッチボールだ。自分に投げて来るかどうか分からない状態で常にボールの動きを見ながら体制を入れ替えつつ早く正確に、時にはフェイントで別の相手に投げるなどして翻弄する。どんな時どんなタイミングで打球が飛んで来るか分からないし、ランナーが飛び出していて急いで投げたりキャッチしたりと忙しいのが内野手だからこんな練習をしている。
そのあと午前中はダッシュやシャトルランや反復横キャッチなど基礎練習をしていく。10 分に1回は1分の休憩を入れる感じで繰り返し2時間に1回長めの休みを入れる。水分や塩分補給も大事だしね。
1回の守備で10分以上かかる事は稀な事だし1試合2時間超える事は稀。だからこの1連に慣れる事で試合中にバテにくくなる。
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