第23話 お嬢様乱心
朝から変な事を言い出すアサカワ。
朝とアサ・・・。いや寒くなりそうだから止めておこう。
「あ・・・アサちゃんどうしたの!?」
「昨日からアカっちが変だと思ったら匂いがちがうぅ」
「私変な匂いしてるの!?」
「いい匂いなのぉ」
「それなら良かった・・・」
うん、彼女はいい匂いがするよな。
「いい匂い過ぎるのぉ」
「いい匂い過ぎる!?」
「パパが長期出張から帰って来ると知った時のママと同じ匂いがするのぉ」
「それってどんな匂い!?」
「とっても良いことがあったときさせる匂いぃ」
「えっ?」
「アカっち、昨日アイっちとデートしてたでしょぉ?」
「えぇっ?」
彼女の顔が真っ赤だ、それに僕の顔をチラチラ見たら白状したようなものだろ。
「おい!アサカワ!アカホリさんが困ってるだろう!」
「アイっちに取られたぁ」
いや元々お前のもんじゃねーよ。それに最初はお前も「付き合っちゃうぅ?」と応援してたじゃないか。そんな事を言ったら自白したようなものだから言わないけどね。
「なんだお前ら付き合い出したのか」
ここで新たな伏兵が参加し出した。それにお前は手が重いんだよっ!
「アオっち!アカっちをアイっちに取られたのぉ」
「元々こいつら付き合ってるようなもんだっただろう」
「そんな事ないぃ。アカっちはウチのものなのぉ」
「いやお前のもんじゃないだろ」
アオシマがナイスツッコミをするが、ご乱心のお嬢様には通用しないようだった。2人を引き離そうとするが「ガルルルるぅ」と鳴き声の語尾が可愛い猛獣になって威嚇してくる始末。クラスメイト達も注目し成り行きを見守っている。
ごく一部は「協力しあう2人が惹かれ合い・・・」とか「そこで手が触れた時に電気が走ったような・・・」とか「アイ×アオ」とか「いやアオ×アイが正義とか」変な腐った波動を送って来るけどな、というか腐った奴ら増殖してないか?まぁ「百合もイイ・・・」といった仲間も加わっているっぽいので一枚岩では無さそうだけど。
そんな時に予鈴が鳴り担任が顔を出したからか、アサカワは渋々といった感じで彼女から離れた。僕の顔を見て「ガルルルるぅ」と威嚇しながらだけどさ。というかお前、担任にはえらく素直に従うのな?
その日は休み時間はアサカワが彼女に物理的にもベッタリ張り付き、僕が彼女と触れ合うスキが与えられなかった。
放課後の部活も二人がイチャイチャするように過ごして居るし、彼女に話かけようとするとアサカワが可愛い唸り声出すので話をする事が出来ない。まぁ彼女のアサカワを癒すホッコリする光景が見られるので良いけれどさ。それとベースを手に入れたのか持って来ているようだけど練習しなくて良いのか?それにいつものスマホで何かしてるけど、朝から全くしてないようだけど大丈夫なのか?
ワタナベ先輩も僕にギターのコードの練習をさせながら「二人は付き合ってる?」と変な事を言い出して居た。アオシマが「付き合って居るのはこいつとアカホリ」と良いフォローしてくれたけどさ。いや付き合ってるけど、ハッキリ伝えて無いからね?それと手が重いんだよっ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます