間章 美優視点でのこれまで
これは始業式の日まで遡る。
私は前の高校とは違う、別の高校に来ている。別に部活の大会とかあるわけでは無い。何なら私は帰宅部だ。
では、何故かというと、今日から学校合併するのである。私は今の学校でも喋れる人が居なかったのに、また人が増えるんだと考えると、最悪だった。
そして、始業式が始まる。
私は頭の中で円周率を永久に唱え、なんとかこの時間を乗り越えた。
それから私は人混みを避けるため急いで教室に向かうべく、真っ先に自分のクラスを確認しに行った。
そして、1組から順番に見ていく。
1組、2組、3組、4組、5組…全然私の名前ないじゃ無い!
そんなことしている間にどんどん人が増えてくる。
「あの子めっちゃ可愛くね?」
「え、ほんとじゃん!」
みたいな会話を耳にしながら、私は6組、7組と見ていき、8組に名前を見つける。
8組だなんて、本当に運がないわね…、まあさっさと行こうっと。
そこから、そそくさとクラス表を見に来た人の集まりから抜けた。
それから少し歩いたところで
「あのさ、連絡先交換しない?」
と、いかにも陽キャそうな男子が話しかけてくる。
あぁ、無理だな…。
私は頭を下げてその場から立ち去ろうと教室の方に軽く走り始める。
「ちっ、この俺様を無視した事を後悔させてやる」
私はその声に怯えながら急いで自分の教室に向かった。
※
それから数分経っただろうか。
今は教室の前はたくさんの男子で賑わっている。
はぁ、今年もこうなるのね…、もう嫌だなぁ……
そう、去年高校に入学したときもこうであった。たくさんの男子に話しかけられ、たくさん告白もされた。でも私はコミュ症のせいでろくに喋ることができない。その様子を見て男子たちは離れていく。と言ったようなことが起こっていた。
そして、クラスの人がほとんど揃った中、入ってくる2人を不意に見てしまう。
すると、私たちは
「「……え?」」
運命の悪戯かと思った。
あの、私が初めて自然に喋る方のできた人が目の前にいるのだから。
そして、変わらず今も声になった。
そしてしばらく沈黙ののち、
「あなたってあの時の…」
鳴釜くんが沈黙を破ってこう言う。
「やっぱりそうですよね…?」
こんな話をしていると、廊下が騒がしくなってきて、さらにギャラリーが増え始めた。
これは変な噂になりそうだわ…
「じゃあ、また後ででね……」
鳴釜くんが申し訳なさそうな顔をしながらそう言う。
またあとで? どう言うことなんだろ。
「う、うん」
私は改めてこの状況を理解する。
まさかあの時であった喋れる人今、私唯一の喋れる人が同じ高校になるなんてね…。何ともまあ、すごいことだわ…。
※
それからは、鳴釜くんからも喋られることもなく、私から喋りかけることもなく数日が経過した。
「ねぇ、美優。今日は休みをもらったから一緒に修学旅行で必要なものの買い物に行かない?」
「分かった、行こう!」
あれから、お母さんとは仲直りし、とても仲良くやっている。
あの女性の方が何か言ってくれたのだろうか? とにかく感謝である。
それから、お母さんとの久しぶりの買い物を楽しんだ。洋服屋で服を買ったり、日用品を買ったり、ランチを食べたりした。
前から変わった母は正直、最高だった。
〜後書き〜
どうもこんにちは! ともともです!
さて、今回は美優視点からの学校生活をお送りしました! 楽しんでいただけたでしょうか?
次回はとうとう修学旅行回です。お楽しみに!
この小説が面白い!と、少しでも思った方は小説のフォロー、応援、コメント、お星様評価をよろしくお願い致します!
これからもこの小説をよろしくお願い致します!!
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