第二十七話 仙獣
俺たちの旅をしている事情を話すと、やがて
「あんたらの事情は何となく分かった……せやけど、うちの
「
その言葉を聞いて、俺は思わず声に出してしまった。
「ちょっと待ってくれ。まさか、
絶対にそんなことはないと思ったが、俺は聞かずにはいられなかった。
人間界では修行をしなくても仙人になれる
本物の
「何や? 兄さんは薬に関して少しは
そう言うと
「まあ、それが無理なのはうちも分かっとる。
俺たちの事情を聞いたことで、
母親は子供の頃に死別しており、
そんな
やがて、この薬屋で働いていた
父親の死と働き手が少なくなったことで経営は徐々に悪化していったが、この薬屋を
そのため裏庭に放置されていた小屋を、
他にも父親と
しかし、ようやく高値で売れるほどの薬が作れるようになった3か月ぐらい前から
そこで顔見知りの
そして今日まで1人で薬を作り、何とか
「……ただ、もうそれも限界かもな。妖魔が住み着いてからというもの、残りの
「せっかく実入りのいい大口のお客はんから請けていた、
この言葉に反応したのはアリシアだ。
「待って。私はお店の経営については口を出せないけど、少なくとも私たちが妖魔を倒せば
「お前さんもしつこいな。だから何度も言うとるやろ。あの妖魔は誰にも――」
倒せへん、と
「そのことなんだが1ついいか?」
と、俺は2人の会話に水を差した。
「ここにいるのは妖魔じゃなくて
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