第二十八話 取引
俺たち3人は建物の裏口から外へ出て、
裏庭に出るなり、俺は地面に生えていた植物を見回す。
さすが薬屋の裏庭だ。
根気よく雑草を抜いて1つ1つ植えていったのだろう。
まあ、それはともかく。
例の
名前こそ
俺はそんな
てっきり建物の入り口の近くにいると思ったが、玄関の扉が開けっ放しなところを見ると、どうやら
などと考えていると、
「うちの
「私もそれが気になった。本当にあそこにいるのは妖魔ではなく、
俺は2人の問いに対して「ほぼ間違いない」と答えた。
こうして一定の距離まで近づくとよく分かる。
おそらく何十年か何百年か前に、
何かしらの理由があって
実際に
元々は
では
答えは
明確に感じ取れた精気の濃度からして、
それでも第1級の
力の格が中を超える
ただし、それは
そして相手が妖魔ではなく
俺たちの目的は、魔王と呼ばれるほどの妖魔を倒すことなのだから。
「ねえ、
「ああ、それは間違いない。少なくともアリシアが探している魔王じゃないのは確かだ」
そんな俺たちの会話を聞いて
聞き慣れない単語に興味をそそられたのだろう。
「実はね……」
と、アリシアは
先ほども俺たちの旅の事情は話していたのだが、ある妖魔を倒すということしか伝えてなく、西方の魔王に関することは
「そんな凶悪な化け物がこの国に来ているやなんて一大事やないか……せやけど、あんたらは何の手がかりも無しに
「仕方ないだろ。それだけ情報がほとんどないんだ。どうやらアリシアが言うには、その魔王は人間に
そうである。
アリシアの話によれば、西方では魔王というと人間に
現にアリシアが最初に魔王と相対したとき、魔王は小国の国王に
そのため他国にも魔王が
「だから、俺たちはせめて
思ったんだ、と俺が言葉を続けようとしたときだ。
「ちょい待てよ。何かそれらしい話を聞いたことがあるで」
と、
「さっきも話した大口のお客はんと以前に世間話をしとったとき、確か
「そ、その話をもっと詳しく教えて――っていうか、そのお客さんって誰なの?」
話に真っ先に食いついたのはアリシアだ。
「あほか。
「なあ、
「
俺はたたみ掛けるように言った。
「俺たちは魔王に関連するような情報が欲しい。
う~ん、と
色々なことを頭の中で
「ホンマに
「ああ、それは任せろ。必ず何とかする」
やがて
「ただし、そのお客はんにはうちから聞いたなんて言わんといてくれや。それが絶対条件やで?」
「もちろんだ。アリシアもそれでいいよな?」
「ええ、絶対に
これで話がまとまった。
そして
ちょうどいい
久しぶりに
意を決した俺は、次に
「そうと決まったら2人は建物の中に入っていてくれ」
俺は2人に対して堂々と言い放つ。
「
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