第二十五話 薬士 其の二
「下手な嘘はつかんとってや。2人ともご立派な剣を持っているみたいやけど、しょせんは異国人の女と見るからに弱そうな
少女は鼻息を荒げて言い放ってくる。
なるほど、一理あるな。
俺とアリシアは、
「……おいおい、何やこれは? ふざけるのも
はあ、と少女は大きなため息を吐いた。
「自分ら
シッシッと野良犬でも追い払うように少女は手を振った。
さっさと帰れという意味だろう。
とはいえ、事の詳細を見極めるまでは俺たちも引くに引けない。
この薬屋の敷地内に本当に妖魔が住み着いているのか?
その妖魔はアリシアが探している魔王という異国の妖魔なのか?
住み着いていたとして、妖魔から発せられる妖気を感じないのはなぜか?
これらのことを確認するまでは、俺たち――特にアリシアは、どんなことをされてもここから絶対に帰ろうとはしないだろう。
もちろん、アリシアへの協力を惜しまない俺も同じだ。
敷地内に入れさせて
だからこそ、俺は少女に「頼む」と頭を下げた。
「何はともあれ、まずは主人にお目通しをしてくれないか? 確かに俺たちは新人と変わらない最低等級である第5級の
「私も約束するわ。絶対に
俺たちの強い覚悟が伝わったのだろうか。
少女は「う~ん」と
「やっぱりアカン。どんなに頼まれても弱い
「たとえば?」
と、
「そうやな……たとえば第1級の
自信ありげに指摘した少女は、腰に携帯していた竹製の
「薬草なら
そう言うと少女は、
「
「ぶううううううううう――――ッ!」
少女は盛大に水を
「冗談抜かすなや!
実際に見せないと納得しないか。
俺はアリシアに
その
「ほ、
わなわなと全身を震わせた少女に俺は言った。
「先に言っておくが盗品じゃないからな。この
全身は分厚くて黒い体毛で
そして身体能力もさることながら、
ゆえに等級が上の
十中八九、
しばし放心していた少女は、やがて
「兄さん、うちはあんたに興味が出てきたわ。どうして
少女は
「待った。俺たちはまだここの主人に中へ入っていいか
「ああ?
少女は立ち止まると、顔だけを振り返らせた。
「うちが
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