第二十話 精気練武
俺は
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〈
これらの説明を聞き終えたアリシアさんは、
「私の国にも
と、あまりの驚きに大きく目を見張った。
俺は「けれども」と両腕を組んで言葉を続ける。
「このすべての〈
これは本当のことだ。
俺は
その
それこそ
まあ、その
俺はちらりと自分の〈
まさか、この〈
どうりで離そうと思っても離れなかったはずだ。
俺はもう〈
そして〈
「では、
それは
「ええ……ただし
「
「
これもちょうど良い機会だと思った俺は、アリシアさんに包み隠さず思い出した範囲の記憶を話した。
自分は子供の頃に妖魔に両親を殺され、
やがて俺はとある1人の
しかし、13歳になったときに師匠が病気で亡くなって再び
そんなある日、俺の目の前にとある1人の
その後、俺は素質を見込まれた
そして
俺は今の自分の力でも人間界を救えると思い、
それが数年前のことであり、この人間界に来たときから普通の人間と同じく年を取って肉体が成長していったこともすべて話したのである。
「それで
はい、と俺は首を縦に振った。
「ですが人間界と
「そのときに記憶を失ってしまった、と?」
俺は「そうです」と答えた。
「ちなみに
こんなところです、と俺は身の上話を終えた。
へえ、アリシアさんは
そんなアリシアさんの顔を見て俺はふと思った。
「……アリシアさん、どうして俺が普通の人間じゃないと分かっても冷静でいられるんですか? 俺はこことは違う世界から来た者でもあるんですよ」
「はい、それは理解できました。要するに
「どういうことです?」
「近年ではあまり見かけなくなりましたが、私のいた国には以前からわりと異世界からやってくる本物の異世界人が多かったらしいですよ」
「本当に本物の異世界人だったんですか?」
「王宮魔導士が召喚術で呼び寄せていたというのですから、間違いなく本物だと思います。私は会ったことはありませんが、実際に異世界人に会ったことのある古い人間たちが言うには、異世界人は実力のわりには
そう言うものなのか、と俺はアリシアさんを見つめた。
まあ、異世界人のことはさておき。
「どちらにせよ、当面の問題は
アリシアさんは「う~ん」と困ったように
「でも、
俺は大きく
「となると、ここは
異議ありません、とアリシアさんが
「それと
今度はアリシアさんがそのような提案をしてきた。
確かにアリシアさんの言うことも一理ある。
どれぐらいの日数が掛かる旅になるかは分からないが、これから互いに背中を預けることもある人間関係の中で他人行儀なのは
「そうですね……いや、そうだな。だったら、もう
俺はアリシアさん改め、
「じゃあ、これからもよろしく頼む。アリシア」
アリシアは同じく笑みを浮かべながら
「こちらこそ、
と、俺たちの仲が急激に
「お待ちどうさま!」
給仕の女性が俺たちの頼んだ料理を運んできてくれた。
何もなかった
俺とアリシアはゴクリと
正直なところ、今日は予想外な出来事があったので俺は腹が減りに減っていた。
そして、それはアリシアも同じだったのだろう。
美味そうな料理の数々を見た瞬間、俺とアリシアは食欲に突き動かされて
ひとまず、まずは腹ごしらえ。
俺とアリシアは細かいことは忘れ、ほぼ同時に
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