第十七話 施術
「この
温もりが感じられる優しい
広場には大道芸人たちの見世物や、飲食の
どうやら俺が広場に来る前から、この
特に南方に対する旅人などへの説明に熱心だった。
他の人間より
そんな
だとしたら俺も聞かない手はない。
実際、俺もこの
そのため俺は見世物や
現在の時刻は、
つまり、アリシアさんと馬車に乗っていたときから丸1日が経っている。
けれども、アリシアさんはここにはいない。
主に利用するのは、医術と薬に詳しい
そんな
ちなみにアリシアさん
まあ、それはともかく。
俺は
「――でも、
話を聞いていた十数人の顔を見渡しながら、
「はいはい、ボクは知ってるよ」
そのとき、1人の子供が大きな声で手を
「この街の周りでたくさん
「あら~、よく知っているわね。大正解よ」
「この子の言ったように、この
なるほど、と俺は思った。
これは事情を知らなかった人間――特にこの街を初めて
たとえば薬草採取の仕事を受けて森に入ったのに、気がつけば妖魔
他にも何となく分かったことがある。
ただの
おそらくこの街の
なので事情を知った
などと
それから
注意事項に加えて街の観光名所なども話し終えた
腰痛の
「大丈夫ですか?」
俺は
「あら? あなたも私の話を真剣に聞いてくれていた人ね」
すぐに背筋を伸ばして、にこやかな笑みを作る。
「あなた、この街には来たばかり?」
俺はこくりと
「正確には昨日の夜にこの街に辿り着いたんです。なので、あなたの話は非常にタメになることばかりでした……え~と」
「うふふ、私の名前は
「
「見た目からして、行商人というわけではなさそうね」
「はい、これでも
へえ、と
「もしかして、あなたも例の妖魔を倒す目的でこの街に来たの? 私が薬を依頼している、あの
「
俺は何のことか
こんなお
それに
小首を
「ごめんなさい。知らないならいいのよ。それに初対面の
「はは……よく言われます」
と、俺が
「あ痛たたた」
「腰は痛めてから長いんですか?」
そうね、と
「この腰のせいで以前の仕事を辞めてから10年の付き合いになるかしら。どんな薬や医術者に見せても
俺はしばし考えた。
「……良ければ、俺が腰を
「あなたは医術者じゃなくて
「そうなんですが、そっちのほうも得意だったりするので」
「それじゃあ、お願いしようかしら。ちょっと腰を
俺は「そんなつもりで言ったわけじゃないです」と答える。
「多分、治せますよ」
俺は
それだけではない。
「腰が必要以上に反ってますね。それに首の骨の位置も微妙におかしい。おそらく、
「それなりの数の人間は
事実だった。
俺はこれまで
「まさか、本当に私の腰痛を治せるの?」
「治せますし、治ります……ですが、
「ど、どういうこと?」
「
「今まで何十人もの
お願いします、と
「分かりました」
俺は
そして――。
心が
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