第十四話 比武
修練場になっていた
――異国人の女と
そんな話を聞きつけた
さて、どうなるかな。
俺は両腕を組みながら、見物人たちに混じって騒ぎの中心人物たちを見つめた。
騒ぎの中心人物ことアリシアさんと
もちろん、素手ではない。
アリシアさんと
これはあくまでも
だが、
なので2人は
「おい、
一方のアリシアさんは、表情を変えずに首を左右に振った。
「私は
「はっ、異国人の名前なんて知るか。てめえなんざ
アリシアさんは遠目でも分かるぐらい、大きなため息を吐いた。
「どうやら、あなたには異国人がどうのと言う前に人としての常識がないようですね……分かりました。それならば、互いに名乗らずにとっとと始めましょう」
と、アリシアさんが
ちょっと待て、と
「せっかくこれだけの見物人が集まったんだ。タダで闘るのは面白くねえ。どうだ? ここは1つ賭けをしようじゃねえか」
「賭け?」
「そうだ。てめえが俺に負けたら俺の弟子になれ。何でも俺の言うことを聞く
見物人たちからどよめきが走る。
俺は組んでいた手に強く力を込めた。
そして、それは当の本人であるアリシアさんもすぐに理解したらしい。
「いいでしょう。もしも私がこの試合に負けたら、あなたの言うことを何でも聞く弟子になります。それこそ、昼だろうと夜だろうと私をあなたの考える
ですが、とアリシアさんは
「私が勝った場合、あなたには一時的にではなく永久に
おお~、と見物人たちからアリシアさんを
「がははははっ、言うじゃねえか。いいぜ、俺が負けたら
そう言うと
「
「本当にいいのですか? 先ほどの
「はい、それは
こくりと
「それは
もはや
魔王とやらを倒した元勇者か……。
俺はふと半日前のことを思い出す。
どうやらアリシアさんは異国で魔王と呼ばれる、とてつもない力を持った妖魔を倒した人間なのだという。
しかし、その魔王を倒したときに悲劇が起こった。
魔王はアリシアさんに倒される寸前、
その呪いと言うのが、アリシアさんの体内の奥底に
今思えば、あれは上位級の妖魔が放つ妖気の
だが、その呪いはもうアリシアさんの体内には
俺がこの世から完全に消したからである。
では、どうしてアリシアさんの体内に呪いが残っていたのか?
そして魔王と呼ばれる妖魔を倒したにもかかわらず、どうしてアリシアさんはこんな遠い異国である
理由は1つ。
倒したと思っていた魔王の本体は生きており、しかもこの
俺はアリシアさんから聞いた説明を思い出していると、闘いの
「それでは始めてください」
俺を含めた見物人たちが見守る中、2人の
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