第十三話 帰還
妖魔
俺たちは受付口の前に立つと、受付嬢に妖魔
「まさか、本当に異国人の方が第四級の妖魔を
受付嬢の驚きを
俺は「何も
「どうしても信じられないというのなら、早馬を飛ばして村で事情を聞けばいい。アリシアさんが妖魔を斬り伏せたという話は、出没していた村以外の
それよりも、と俺は受付嬢に言葉を続けた。
「
「ど、
「ああ、そうだ。目付け役の俺からいくつか伝えたいことがある」
などと受付嬢と会話をしていたときだ。
「おいおい、誰かと思ったら異国人のくせに
ちょうど階段を上がってきたばかりの、以前にアリシアさんに
「どうした? 試験の妖魔が倒せなくて逃げ出してきたのか? まあ、仕方ねえぜ。第三級に近い第四級の魔物なんて、異国人の女に倒せるわけなかったのさ」
がははははは、と大笑いする
しかし、すぐに
自分以外のこの場にいる全員が、まったく笑っていないことに。
おそらく、
なので俺はもう一度、受付嬢の代わりに
「言っておくが、アリシアさんは試験を完璧に果たした。これでアリシアさんは晴れて俺たち
「な、何だと!」
事情を聞いた
「馬鹿も休み休み言いやがれ! 異国の女があんな内容の試験に合格できるわけねえだろ!」
不正だ、と
そんな
「いえ、確かにお2人が持ち帰ったのは
「つまり、こう言いてえのか? この
受付嬢はこくりと
そのときだった。
「私もそう思います」
「この
「……ってことは、あの異国人の女はとんでもない力を持っているってことか?」
「しかも第三級の妖魔を倒せたってことは、第四級
「そんなことより、ちゃんと試験に合格したんだから正式な登録と
他の
それほどアリシアさんの今回の
だとすると、アリシアさんが
あとは
そうすればアリシアさんは、今後は大手を振ってこの国で
と、俺と俺以外の
「納得いかねえ」
「俺は信じねえぞ。こんな異国人の女が第三級の妖魔なんぞ倒せるわけがねえ。仮にそこの目付け役の小僧が手伝ったとしても、そこの小僧も第五級の資格しかない新人と変わらねえ奴なんだ。きっと何か不正を働いたのに決まっている」
こいつは馬鹿か。
俺は場を乱している
しかし、動こうとした矢先に俺はアリシアさんに止められた。
「アリシアさん?」
「大丈夫です、
アリシアさんはずいっと一歩前に出ると、
「
アリシアさんが
「その場所を少し貸してはいただけませんか?」
俺はすぐにアリシアさんが何を言いたいのかピンときた。
それは
「なるほど……そこで自分は不正などしていないと証明してみせると?」
「そうです」
アリシアさんは首を縦に振った。
「
続いてアリシアさんは
「今から修練場に一緒に行きましょう」
アリシアさんは堂々と胸を張って言い放つ。
「このアリシア・ルーデンベルグの真の力をお見せ
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