第8話 シロネ姫の話

【冒険者の宿】

「念のため 結界をはって置いた…敵はここへ入れないし、俺達の声も外へは聞こえない」

「サンキュー、黒兄」

「それで…貴女が……」


「…私はシロネ・ホワイティ16世です。この度はお助け頂き、ありがとうございました」

「い…いえいえ~…うぐッ!?!? 痛ッてぇ――!?!? 何すんだよ、メポ子!!」


流月がアンズへ見事なボディーブロー(腹パンチ)を喰らわせたのだ。


「全く…!! 鼻の下伸ばしてみっともないメポ!! それに、アンズっちは何もしてないでしょ!!」

「ぐっ…!!」


「ふふっ…アンズさんと流月は仲良しなのですね?」

「「だっ…誰が、こんな奴と!!!!(同時に叫ぶ)」」

「うふふっ♪(息ぴったり…流月が可愛いですわ♪)」


シロネはクスクスと笑った。

そのすぐ側で流月たちの様子を見ていた黒蝶と芽依は……。


※芽依と黒蝶は一応小声です。

「ねぇ黒お兄ちゃん…?今のメポ子ちゃんの腹パンチ見て…お姫さまはどこを仲良く感じたのかな?」

「ん…?さぁな?(あのお姫さま天然そうだしな。…まぁ――)」


「(シロネ様…。無事で居てくれて本当に良かったメポ……)」


シロネが笑う様子を見て 流月もホッとする表情を見せた。


「(…良かったな、メポ子)」


その流月の表情を見て アンズもホッとした。


「さっきまで緊迫していたけど…皆が笑顔になって良かったよ」

「うん…!! 皆が笑顔でメイも嬉しいの♪」


話は元に戻って……。


「ところでシロネ様……お城で一体何が遭ったメポ?」

「実は…明日、城で女王継承式が行われる予定でした……」

「………·」

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