第6話 緑色の指輪

流月の話を黙って聞いていた真依が、やっと口を開いた。


「…きっと“答え”は見付かるよ!!」

「………!!」


真依は、にっこり笑った。


「その為に、貴女は生かされた。答えは直ぐにじゃ無くても、ゆっくりと…ね。そして自分の本名も…ご家族の事だって、きっと思い出すよ!!」

「ま…真依…ちゃん―――」


「さて…今度は私の番ね―――」

「………?」


真依が何か呪文を唱えると、手の中が一瞬 キラリと光った。


「今のは……」

「ほら……これを見て」


真依は緑色の指輪を流月へ見せた。


「えっ…!! そ…それは!?」

「これこそが 我が家に代々伝わる“風の宝珠”…。この指輪の中に御先祖様達の“力”が込められているの」

「じゃあ…カイトが持って行ったあの宝珠は!?」

「うん…ニセモノ☆」

「よ…良かったメポ~!!」


真依は「ふふっ」と笑って流月を抱き締めた…。


「ま…真依ちゃん――?」


温かくて…優しい。

真依はまるで、流月の母親みたいだ。


「大丈夫だよ。流月ちゃんは独りじゃない…皆がついてるもの!! さぁ…芽依が起きる前に部屋へ戻りましょう」


真依を励ますつもりだったのに、逆に励まされてしまった……。


「うん――ありがとう…メポ」

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