第4章 招かれざる客

第1話 悪夢

“…大丈夫よ…私が死んでも 貴女には家族が居るから―――”

「えっ―――?」


神様…どうか、この子の命だけはお助け下さい…!!


“……ごめんね――”


ここは私が食い止める!!

だから...貴女だけでも―――。


“……どうか生き延びなさい―――”


―――ドンッ!!!!!


母親は、少女を崖から突き飛ばした―――。


※~※~※~※~※~※~※~※


「(…………ハッ!?!?)」


流月は目を覚ました。

まだ夜は明けていない…。


「(…何だ…またあの夢か―――)」


時々見てしまう…不思議な悪夢。

突き飛ばされた少女は……。


「(多分あの少女は私メポ。そしてあの人が…私を助けようとして突き飛ばしたのが―――)」


私の…お母さん―――。


「お姉ちゃん…なの…ぐー…」

「………!!」


流月は、隣でぐっすり眠っている真依と芽依の寝顔を見た。(芽依は真依にしがみついている)


“貴女には 家族が居るから―――”


「(ふふっ…良いな――私にもきっと何処かにこんな家族が……)」


―――ギッ――ギシッ。


「………!?」


微かだが、怪しげな音が聞こえた…。


「(まさか……泥棒?)」


流月は、真依と芽依を起こさない様に そーっ…と部屋を出た。

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