メポっと一息🌙(短編)

今日は満月🌕️

それはまだ 流月がアンズのギルドへ加入する前の出来事だった。


「おーい、メポ子?」

「あ、アンズっち」

「そんな所で 何やってんだ?」

「…お月見メポ」


素敵な満月が、流月を明るく照らしている。


「この世界では、満月を見ると“月の神様が願い事を叶えてくれる”ってジンクスがあるらしいメポよ☆」

「へぇーそうなんだ。んで…メポ子のお願い事って何だ?」

「アンズっちには、絶ッッ対に内緒メポ!!」

「まぁ…そう言うと思ったけど」


“アンズっちと、これからもずっと一緒に居たい”なんて―――。


「(……そんなの、言える訳ないメポ)」

「……えっ?今 何か―――」

「な、何でもないメポ!!」

「………? こんな時間に女の子独りじゃ危ないだろ……俺も一緒に見るよ」

「……へっ?」


アンズは流月の隣に座った。


「(い…今、アンズっちが流月の事を“女の子”って言ったメポ!?!?)」


アンズが流月を“一人の女の子”として見るなんて……。


「(…絶対におかしいメポ!! きっと何か企んでるに違いないメポ!!)」


「……綺麗だな」

「……えっ?(ドキッ)」

「お月様……」

「そ…そうメポね。(あぁ、そっちメポね……)」


流月は一瞬、「自分の事か?」と勘違いしそうになったが……。


「アンズっちが流月にそんな事言うわけ無いメポ!!」と、直ぐ我に返ったのだった。


……すると、そこへ―――。


「おーい、メポ子ちゃん、アンズお兄ちゃん~!!」

「芽依…?」「メイちゃん…!!」


向こうから、芽依が何かを持ってパタパタと走ってきた。

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