第3話 あなたの名前は

【城の中】

「……うっ」


数時間後……少女が目を覚ました。


「…あっ!! 大丈夫??」

「……ここ…どこ?」

「ここはお城の中だから、安心して。あたしは、シロネだよ!」

「姫様 。“あたし”では無く“わたくし”ですぞ」

「…むーっ。わ…わたくしはシロネですぞ。」

↑何かちがう。


「…あなたのお名前は?」

「…………。」

「…………?」

「…わからない」

「……なんで?」


シロネは、困惑してオルタナを振り返って見た。


「恐らく…記憶を失っています…だから、名前を思い出せないのでしょう」

「…じゃあ、シロネがあなたの名前つけてあげる!!」

「…え?」「ひ…姫様?」


シロネは、少女の三日月のペンダントを見た。


「へぇー?あなたもあたしと同じペンダント持ってるね――ほらっ」

「えっ……?」


シロネは自分の三日月のペンダントを少女へ見せた。


「………!?(何故…この少女が姫様と同じペンダントを――?)」

「よし…決めた!! あなたの名前は、流月」

「る…つき……??」

「そう…!! 流れるお月さま。“ルツキ”だよ!!」

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