第2話 幼い王女とじぃじ家臣

【森の中】

「…シロネ様、そろそろ城へ帰りましょう」

「…イ・ヤ・だッ!!」


シロネは頬っぺたを、ぷぅ~!!と膨らませた。


「はぁ~……(深い溜め息)」


妹姫のクロネが シロネの大好きなおやつのプリンを勝手に食べたからと喧嘩して、シロネは城を飛び出してしまった。

いつまでも城へ帰って来ないシロネを心配して“じぃじ”と呼ばれてる家臣・オルタナが迎えに来たのだ。


「(やれやれ。王女とは言え…まだまだ子供ですなぁ)」

「……じぃじ!!」

「……は…はいっ!?(ギクッ!!)」


2人は、血塗れでぐったり倒れている少女を発見した。


「(えっ…あの子供は――??)」

「…じぃじ、あの子助けなきゃ!!」

「…シロネ様!?」


シロネは 人を癒すと言われる“聖白魔法”が使える 数少ない魔法使いだ。

※クロネとオルタナは魔法が使えない。


幼いシロネはまだ力を上手く使いこなせておらず、体力も激減する。


「駄目です――それではシロネ様のお身体が……!!」

「でも――早く助けないと間に合わない!!」


オルタナの制止も聞かず、シロネは目を閉じ 冷たくなった少女の手を握り締めた……すると。


―――パァァァァッ…!!!!


「…………!!」


少女の身体とシロネは、聖なる光に包まれた。


「お願い…どうかこの子を助けて――!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る