ケンカで死にかけたおはなし

イノベーションはストレンジャーのお仕事

ケンカして死にかけたおはなし

男として生まれたならば一度はケンカを経験したほうがいい、という意味不明な考えが及んだ私は、少々酔った深夜にコンビニ前に立っていた自分と同じくらいの背丈、160cm前後の男にケンカを吹っかけました。腕に覚えがあるわけではないですが、何とか勝てるだろうとなめていました。

しかし、私は喧嘩の経験がないのでどう攻めればいいかわからないまま相手に攻め込まれ柔道の組手のように前襟を掴まれました。体を預けられ、コンビニの入り口の手動ドアに押し込まれて付近にあったATMの真下に倒されました。今思うと、その相手は柔道経験者だったのでしょう。思っていたよりもかなり強い相手です。その勢いで馬乗りにされ、地面に後頭部をガンガン叩きつけられました。3回くらい叩きつけられると後頭部から血が流れ出し、意識が多少朦朧としてきました。その時初めて〈あ、おれ多分死ぬな〉と観念しました。相手はお構いなしに私の頭をガンガン地面に叩きつけます。意識が遠くなりかけた時、コンビニの店員が呼んだであろう、警察官が2名駆けつけました。その時、助かったとかそういう意識は全く無く、ただボーっとなってました。

警察官が仲裁に入り、私への攻撃は終わりましたが、まずは病院へ行ってそれから事情を聞くということになりました。暫くして立てるようになった私は警察に呼びつけられた親と一緒に病院へ連れて行かれました。出血は結構ありましたが、外傷は4、5針縫う程度で済みました。その影響で今も馬鹿なのでしょうか。

その後、警察官の事情聴取が病院で双方行われましたが、喧嘩両成敗ということで私のケンカを吹っかけた落度と相手の私への攻撃の落度が相殺される形で不問で終わりました。

その後、自分の流血が残って見えるような気がして、そのコンビニに立ち寄れるようになったのはそれから5,6年は掛かりました。その後3,4年前にそのコンビニは違う施設になり私の黒歴史にも幕が降りました。

           (おしまい)

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ケンカで死にかけたおはなし イノベーションはストレンジャーのお仕事 @t-satoh_20190317

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