第15話「レグザムの正体」
堕天使達は今度は人間界への攻撃を開始した。
人間界への攻撃の知らせを受けアルスは直ぐに人間界に戻る事に。
「父上、直ぐに人間界に戻ります」
「うむ……気を付けて行くのだぞ」
「はい!」
アルスは早々に神殿を出発し、人間界へ戻って行く。
その頃、堕天使達の攻撃を受けた人間界では……。
「ちくしょー、いきなり何がどうなってんだよー」
秀介が逃げながら呟く。
マーレイハウスでもマーレイとアデルが避難の準備をしていた。
「一体何が起きてるんですか?」
沙耶香が尋ねる。
「分からないわ……でも、ここに居ては危険。沙耶香ちゃんも早く逃げる準備をして」
「え……えぇ……」
人間界の街で暴れる堕天使達……。
「ハーハッハッハッハッ!!人間共!恐怖にひれ伏すがいい!!」
ヴァグレスが傍若無人に暴れ回る。
「相変わらず暴れるしか能が無いですねぇ」
カルドロがヴァグレスの様子を見ながら呆れて言う。
「フフフッ……まぁ、それが奴だ」
とアルガムは呟く。
「……。パラディオン、早く来い……」
アルスは人間界に到着。
「酷い……ここが本当に人間界か?」
「!」
レグザムはアルスがやって来た事を感じ取った。
「どうした?レグザム」
アルガムが尋ねる。
「奴が来た」
そう言うとレグザムはアルスの元へ向かった。
「おい、勝手な事を……」
カルドロが止める。
「まぁ良い……」
アルガムはそれを許す。
「しかし……」
ヴァグレスが暴れているとそこにバルサムがやって来た。
「悪魔では無く堕天使か……」
「あん?何だテメェは!」
「死神戦士バルサム……貴様の相手をしてやる」
「死神ぃ!?へっ!面白ぇ……なら遊んでやるか」
バルサムは『変身』
死神戦士の姿となり『スカルデスサイズ』を構える。
「行くぞ……」
バルサムとヴァグレスが戦闘開始。
その頃、街に向かっていたアルスの前にレグザムがやって来た。
「お前は……レグザム!」
「パラディオン……貴様の首……貰いに来た」
「戦わなきゃ通してくれないって訳か……だったら……行くぞ!!」
アルスは『変身』
天界騎士パラディオン登場。
『聖剣·レグニス』を構える。
レグザムも『邪神剣·ガルドソード』を構える。
パラディオンVSレグザム2人の騎士の戦いが始まった。
互いの剣術を駆使し激しい戦いを繰り広げる。
「やはり貴様は強い……だからこそ斬り甲斐がある!」
「悪いけど……負ける気は無いよ!」
パラディオンがレグザムを蹴り飛ばし反撃に出る。
「ぐっ……」
「はーっ!!」
パラディオンの一撃がレグザムに迫る。
一方、バルサムもヴァグレスと一歩も引かない死闘を繰り広げていた。
「ハァ……ハァ……テメェ……やるな……」
「フンッ……お前もな……」
状況はバルサムがヴァグレスを追い詰めていた。
バルサムはトドメを刺そうと必殺技『デス·スパーダ』を発動。
だが、その攻撃は黒い雷撃によって妨げられる。
「何っ!?」
「悪いな死神……こちらの邪魔をされる訳には行かないんだよ……」
現れたのは堕天使達のボス、アルガムだった。
「貴様は?」
「我が名はアルガム……堕天使の統率者なり」
「つまり貴様が親玉か……ならその首貰った!!」
バルサムがターゲットをアルガムに切り替え攻撃を仕掛ける。
「はっ!!」
アルガムは黒い突風を発動させ、バルサムを吹き飛ばす。
「ぐあっ!?」
「これは我々堕天使と天使の戦い……部外者は黙ってて貰おう」
アルガムは再び黒い雷撃を放ちバルサムを攻撃。
「ぐわぁぁぁぁっ!?」
バルサムは叫び声を上げ倒れた。
その頃、パラディオンとレグザムの戦いは……。
「お……お前は……」
レグザムの仮面が破損し素顔が露わになっていた。
そして、その顔にパラディオンは見覚えがあった。
「ディアス……ディアスなんだろ?」
「フンッ……やっと分かったか……アルス……ああそうだよ。俺はディアスだ!」
「でも……何で?ディアスはもう死んだはずじゃ……」
「フンッ……残念だったな……俺は生きてるぜ……お前に復讐する為にな!!」
「残念なもんか……僕は……君が生きていてくれて嬉しい……」
「何を寝ぼけた事を!!俺はお前の敵だぞ!!」
「違う!!君は……大事は親友だ!!」
「親友?はんっ……どこまでもおめでたい奴だな……殺せよ……」
「そんな……出来る訳がない……」
「フッ……だろうな……お前は優し過ぎる……」
レグザムは一瞬の隙を突き『邪神剣·ガルドソード』でパラディオンを突き刺す。
「ぐあっ……な……何で……?」
「言っただろ?俺はお前の敵だ……隙があれば殺す……まぁ、安心しろ。今回は急所は外しておいた。お前とはちゃんとした形で決着を着けたいからな……」
そう言ってレグザムは『邪神剣·ガルドソード』を引き抜いた。
「ぐはっ!?」
パラディオンは倒れた。
レグザムは立ち上がる。
「あばよ……」
レグザムはそう言い残し去って行く。
その頃、天界では……。
シャルルが修行を続けていた。
「はっ!……ダメ……こんなんじゃ……お兄様みたいに強くなれない……」
その時、シャルルに嫌な予感がした。
「!?……何?今の感覚?……まさか……お兄様?」
シャルルは居ても立っても居られず、修行を中断し、外に出る。
「何なの?お兄様の身に何か?」
シャルルが神殿の庭に出てみると、そこには1つだけ白く輝く花が咲いていた。
「何?……これ……」
その白い花に導かれる様にシャルルは近付きその花に触れてみる。
すると、花は一層眩く輝き出した。
「キャッ!?……な……なんなの!?」
パラディオン、そしてバルサムが倒れた事で堕天使達の人間界への攻撃は一度止んだ。
マーレイハウスで避難の準備をしていた沙耶香は……。
「何か……急に静かに……」
「沙耶香ちゃん気を付けて」
マーレイが注意する。
「はい……」
恐る恐る外に出てみると確かに堕天使達の攻撃は止み静けさを取り戻していた。
「もしかして……アルスが戻って来たのかも!」
「え?」
「そうか!きっとそうだよ!アルスが倒してくれたんだよ!」
「私、アルスを探して来る!」
沙耶香が飛び出して行く。
「あっ、沙耶香ちゃん!……アデル、何やってんだい!早く沙耶香ちゃんを追って!」
「え?僕が?」
「いいから早く!!」
「は、はい!」
アデルが沙耶香の後を追う。
「ねぇ、何とかアルスの居場所分からないの?」
「いや……そんな事言われても……」
と、そこへ秀介が!
「沙耶香!」
「秀介!」
「大丈夫か?」
「うん……それよりアルスを探すの手伝って!」
「え?アルス?わ、分かった」
沙耶香、秀介、アデルは手分けをしてアルスを探す。
街は堕天使達の攻撃の影響で瓦礫やガラス片が散乱して悲惨な状態だった。
そんな中でも沙耶香達は必死にアルスを探す。
街の外れから街の様子をデズモアが見渡していた。
「堕天使か……随分好き放題やってくれるねぇ……いや、待てよ……面白い事になるかも知れない……」
デズモアはこの状況を何かに利用しようと企んでいる様だ。
沙耶香は必死にアルスを探し続ける。
そして倒れている人影を発見。
「まさか……アルス?」
沙耶香が近付いてみる。
だがそれはアルスでは無く……。
「バルサム?……え?何で?」
沙耶香が見つけたのは倒れているバルサムだった。
しかし、沙耶香は我に返り秀介に電話をする。
沙耶香に呼ばれた秀介はバルサムを連れマーレイハウスへ……。
「何で俺が……こんな事を……」
沙耶香とアデルはアルスを探し続ける。
とそこに……。
「沙耶香さん!」
声を掛けて来たのはシャルルだった。
「シャルルちゃん!?どうしたの?」
「お兄様に何かあったんじゃないかと思って……」
「私達もアルスを探してる所なの」
「お兄様の居場所なら大体は察知出来ます。一緒に来て下さい」
「本当?助かる!」
シャルルを加えアルスを探しに向かう。
シャルルに導かれ向かった先にアルスは倒れていた。
「アルス!」
アルスに駆け寄る3人。
「酷い……早く病院に……」
「ダメ!……天使の追った怪我は人間界の病院じゃ治せないわ……」
「じゃあどうすれば……」
「私がお兄様を天界へ連れて行くわ……」
「天界なら治せるの?」
「ええ、きっと」
「分かった。シャルルちゃん、アルスをお願いね」
「はい!」
シャルルはアルスを連れて天界へ戻る。
沙耶香にはただ、祈る事しか出来なかった。
続く……。
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