第8話「特訓」
パラディオンとバルサムはハイランクデビルズのガトリングデビルズの前に敗北した。
ガトリングデビルズは2人を倒すと姿を消した。
「ぐっ……ハイランクデビルズ……なんて強さだ……」
アルスは何とか立ち上がろうとする。
「チッ……余計な真似を……」
先にバルサムが立ち上がる。
「何が余計な真似だ!今は、あのデビルズにされた人間の魂まで奪う気なんだろ!!」
「当たり前だ!!悪に心を染めた人間等に価値はない!!……お前は甘いんだよ……」
そう言うとバルサムは立ち去る。
「何がだ……人間の命を救いたいと思うのは当たり前じゃないか!!」
その後、マーレイハウスに戻ったアルスの元を沙耶香と秀介が訪ねた。
「え?バイト1日でクビになったって!?」
思わず叫ぶ沙耶香。
「うん……仕事してる途中にデビルズが現れて……」
「あっちゃー……仕事中に勝手に抜け出したらそりゃクビになるわ」
「いつデビルズが現れるか分からないのに時間に縛られる仕事はまずいんじゃないの?」
「そうねぇ……時間に融通が利く仕事じゃないとね……」
「なるほど、それで落ち込んでる訳か……」
「いや……と言うより気になる事が……」
「何かあったの?」
「昼間現れたデビルズ……とても強かったんだ……バルサムと一緒に戦っても全く歯が立たなかった……」
「そんなに強い相手だったの?」
「うん……デズモアはハイランクって言ってた……」
「ハイランク……通常のデビルズより強いって事ね……」
「一体……どうしたら勝てるのか……」
「う〜ん……やっぱこういう時は特訓でしょ!」
と沙耶香が提案。
「特訓?」
翌日ーー
アルスは沙耶香、秀介の協力を得て早速特訓を開始。
「まずは瞬発力よ!私と秀介が攻撃するからその攻撃を避けて」
「はぁ……何で俺まで……」
「宜しくお願いします」
「じゃあまず変身して」
「え?変身までするの?」
「当たり前でしょ?変身した状態での身体能力じゃなきゃ」
「あちゃ……沙耶香の特撮オタクモードにスイッチが入っちゃったな……」
秀介は呆れて居る。
アルスは『変身』
パラディオンとなり構える。
「行くわよ!」
沙耶香は物干し竿を構える。
「で、何で物干し竿……」
「仕方ないでしょ?丁度いいのが無かったんだから……行くわよ!!」
沙耶香は物干し竿でパラディオンに攻撃。
「おっと……」
「しゃーねぇ……やるだけやってやるか!」
沙耶香と秀介はパラディオンに次々に攻撃する。
しかし、2人の攻撃ではパラディオンは軽くかわす事が出来あまり特訓にはなっていない様だ……。
続いて……。
クレーン車を用意し、そのクレーンの先には巨大な鉄球が……。
「所でこのクレーン車どうしたんだ?」
「バイト先の大将の知り合いに頼んで貸して貰ったのよ。建設会社に務めてるんですって」
「へぇ〜」
「行くぞヒーローの兄ちゃん!」
「はい!宜しくお願いします!」
クレーンを操作し巨大な鉄球がパラディオンに迫る。
巨大な鉄球がパラディオンに激突しパラディオンは弾き飛ばされる。
「ぐあっ!?」
「う〜ん、やっぱ特訓と言えば鉄球よね」
「そう……なのか?……しかし……これで本当に特訓になるのか?」
パラディオンの特訓の様子を離れた所から見ているバルサム。
「フンッ……無駄な事を……」
その頃、デズモアはガトリングデビルズの動向を観察していた。
ガトリングデビルズは霧島の姿に戻り街を練り歩いていた。
「はぁ……はぁ……チッ……腹減ってしょうがねぇ……まずは食い物だな……」
だが、そこにパトロール中の警察官が近付いて来る。
「チッ……サツか……」
霧島は方向転換。
その場から離れようとする。
しかし、その行動を不審に思った警察官は霧島の後を追い声を掛けた。
「ちょっと君、待ちなさい!」
「ああ?」
霧島は振り向く。
「お前は!?逃走中の霧島五郎!?う、動くな!大人しく投降しろ!」
「うるせぇよ……腹が減ってイライラしてんだ……」
霧島はガトリングデビルズに変身。
「うっ……うわぁぁぁっ!?」
あっと言う間に警察官を無惨にも殺害する。
その騒ぎに周りの人々は大パニック。
特訓中のパラディオンはガトリングデビルズの出現を察知した。
「来た!デビルズだ!」
「え?どうしよう……まだ新しい技とかもないのに……」
「大丈夫……今度こそ必ず勝つ。あの……特訓ありがとうございました!僕、行きます!」
「ああ……気ぃつけてな」
クレーン車を操縦する男性に礼を言ってパラディオンはガトリングデビルズの元へ急ぐ。
ガトリングデビルズは人々の大パニックに乗じ空腹を満たす為にファミレスへ入る。
「きゃーっ!?」
こちらでも当然客は大パニック。
「騒ぐな!!……何でも良い……食い物を持って来い!さもなれば全員殺すぞ!!」
そう叫び天井に向かって威嚇射撃。
客も店員も慌てふためく。
「わ……分かりました……直ぐに何かご用意しますのでどうか他のお客様や従業員には手を出さないで下さい」
店長が対応。
「良いだろう。言う事を聞けば誰も死ななくて済むぜ?」
「すっ、直ぐに何かご用意致します」
だが、通報を受けた警察が既にファミレスを包囲。
「霧島五郎!そこに居るのは分かっている!大人しく投降しなさい!」
「チッ……もうサツが来やがったか……」
たが、形振り構わずバルサムはファミレスへ突入。
「何だ……?またお前か……」
「貴様の魂……貰い受ける」
「フンッ、面白れぇ……腹が減ってイライラしてんだ……飯が来るまでストレス発散させて貰うぜ……」
霧島は再び『変身』
ガトリングデビルズとなりバルサムの前に立つ。
バルサムは死神戦士の姿に『変身』
「行くぞ……」
バルサムは『スカルデスサイズ』をガトリングデビルズに向ける。
バルサムはガトリングデビルズに攻撃を仕掛ける。
しかし、ガトリングデビルズは両腕のガトリングガンでバルサムを一斉に発砲。
「ぐっ……」
「ハーハッハッハッ!!弾丸の雨を喰らいやがれ!!」
ガトリングデビルズの攻撃は周りの人々をも巻き込んだ。
更にパニックになる客達。
そこへアルスが到着。
「まずい……早く助けないと……」
アルスは一端物陰に隠れ『パラディンブレス』て『変身』
天界騎士パラディオンが登場し、ファミレスに突入。
「そこまでだ!」
パラディオンがファミレスに乗り込む。
「パラディオン……またしても邪魔を……」
「フンッ、またテメェか!上等だ!今度こそぶっ殺してやる!!」
パラディオンが『聖剣·レグニス』を手にガトリングデビルズに戦いを挑む。
ガトリングデビルズは両腕のガトリングガンでパラディオンを攻撃する。
「くっ……このままじゃ何の罪も無い人達にも被害が……」
パラディオンは周りの人々に危害が及ばない様に攻撃を受け続ける。
「よし……今の内だ」
バルサムが『スカルデスサイズ』を構える。
そして一気にガトリングデビルズに詰め寄る。
だがその時、ガトリングデビルズはバルサムの接近に気付き攻撃の矛先をバルサムに変える。
「うわっ!?」
咄嗟にバルサムは攻撃をかわす。
しかし、ガトリングデビルズの攻撃は止まらない。
ガトリングデビルズの放った弾丸は厨房の方へ飛び大量の皿を破壊。
それだけに留まらずガスコンロを破壊しガスに引火。
大爆発が起こってしまう。
ドーーーンと言う轟音と共に炎が吹き上がりバルサムを吹き飛ばし客や従業員に襲い掛かる。
「ぐはっ!?」
「危ない!!」
パラディオンは客や従業員達を守る為に背中のマントを広げ人々の前に立ち塞がる。
「ぐわぁぁぁぁっ!?」
しかし、その爆発は大きくパラディオン1人では守り切れなかった。
爆風が窓ガラスを吹き飛ばし外の人間にも危害が及ぶ。
ファミレス全体がこの爆発により吹き飛んだ。
黒煙が上がり現場は騒然とする。
「チッ……お陰で飯を食いそこねたぜ……」
ガトリングデビルズはその場から逃走。
客や従業員にも多くの重傷者が出ていた。
「ぐっ……そっ……そんな……何で……何でこんな酷い事に……」
人々を守れなかった自責の念がパラディオンを襲う。
「ぐっ……パラディオン……貴様……貴様が余計な事をしなければ奴を仕留められていたものを!!」
バルサムはパラディオンを責立てる。
「何言ってるんだよ……周りの人々を巻き込んで……何の罪も無い人達がこんなに傷付いてるんだぞ!!」
「黙れ!!……悪魔に魂を売った人間を裁くのが俺の使命だ!それ以外の事に何の興味もない!!」
「その為に関係ない人達を巻き込んで良いって言うのか!!」
「知った事か!!悪魔に魂を売った人間を野放しにすればもっと多くの被害が出るんだぞ!!多少の犠牲等仕方あるまい!!」
「ふざけるな!!」
パラディオンはバルサムを殴り飛ばした。
「フンッ……そんな甘い拳で悪魔と戦えるか!!……やはり天使の貴様と死神の俺では手を取り合う事は出来ん様だな」
バルサムはパラディオンを突き飛ばしその場を去る。
「くっ……ふざけるな……ふざけるなー!!仕方のない犠牲なんて……あって良いはず無いじゃないか!!」
全く意見の食い違うパラディオンとバルサム……。
果たして?
続く……。
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