第11話 奇怪な電話???
ジョセフがいつまで経っても美咲と別れないので喧嘩は益々ヒ-トアップ。
「もうどんな事をしても無理!おしまいよ。夫にバレて離婚を迫られているのよ。あなたが美咲さんと別れないのだったら、私との関係全て美咲さんに言ってやる!」
「違うよ。愛しているのは麗子の方だよ。才能はあるが4つも年上の冴えない只のつまらないオタク気質の女、俺は美しい麗子を愛している。だから……もう少し……もう少し……」
「噓!噓!噓!もう騙されないから」
「お前……そんな事を言うのなら殺してやる!」
そういうと麗子の首を思いっ切り絞め付けめたジョセフ。
「ウウウックッ苦しい!」
麗子は本当に死んでしまったのか?
◇◇
麗子はジョセフを死ぬほど愛し、のめり込んでいる。こんなにも愛しているのに見えて来るのはジョセフの怪しい行動の数々。
ジョセフは最初は独身だと言って近付いて来たのだったが、デ―トは大概誰もいない使われなくなった会社の倉庫の2階の部屋で、ブランドバックや時計のパンフレッドを見せられ買う方向に持っていかされるか、お友達を連れてのお店巡り。そして…お友達を送り届けてから、こじんまりとした倉庫の2階の部屋で、従業員の休憩場所だった場所でのセックス。ムードも何もあったものではない。
それでも…警視総監隆との、どんなロマンティックなスイ-トル-ムで抱かれるよりも燃える麗子。
「ジョセフあなたのお部屋に行きたいわ」
「いいよ。じゃあ今度ね」
そう言って1年以上経ったのに未だ一度も行けず仕舞い。そして…社長だと言うのにおごって貰えるかと思いきや、いつも折半。それでも…夫と親子ほど年が離れているので、いつも甘える立場だった麗子は何か……余計に新鮮に感じて、年下という事も有って甘えてくれていると思うと、余計に可愛く思ってしまうのだった。
こんなどうしようもない男だが、麗子は益々ジョセフにのめり込み、1日中ジョセフの事で頭が一杯。だから……ほんの少しの事でもすごく気になる。
独身だから夜十分に時間が空いている筈。そう思い電話するが、出ない時は全くと言って良いほど出ない。特に怪しいのが土日は電話を掛けても半分以上連絡が付かない。そこで一度ジョセフの跡をタクシーで付けた事が有った。
すると……高級タワマンに消えた。それも高級マンションを2ヶ所も所有していた。
「流石社長!」
こんな事も有って余計に信用してしまった麗子。それでも…ポストの表札でも見ていればもっと早く、家族がいる事や彼女の真実に辿り着けた筈だが、常時エントランスに受付の女性が居るので、それ以上は見ることが出来ない。
こうして興信所を使って調べ上げた。すると……何と、日本での2重生活が判明した。更には本国アメリカに本妻がいる事も判明した。更には日本人妻美咲は才能あふれる誰もが知る有名作曲家兼バイオリニストだった。また他にも、会社のヤリ手課長とも月の半分同棲しているという報告を受けた麗子は、想像もしなかった真実に、立って居る事もままならな状態になった。
◇◇
麗子がジョセフに狂ってしまった事で、家庭が崩壊してしまった。それはとりわけ子供達に大きなしわ寄せとなって現れた。
今まではいつもどんな時も一緒だった教育ママの麗子が、殆ど家にいなくなり寂しくて仕方がない長男誠は、その寂しさを埋める為に良からぬツレとつるむようになってしまった。
だが人間とは不思議なもので、あんなに寂しがっていたのに無理矢理勉強をさせられていた事も有り、友達との時間が何より楽しいものとなって行った。元々勉強嫌いな誠は一気に楽な方へ逃げ込んでしまった。更にはガラの悪い子供に勧められ薬物に溺れてしまっていた。こうして家庭内暴力で家庭崩壊。更には訳の分からない少女監禁。
こんな事が有り…精神病院と併用している薬物更生施設に入所する事になった誠。
一方の夫隆も麗子に対して愛が冷めたとはいえ、子供がいるので何とか修復したかったが、反省しているかと思いきや、相変わらず男とコソコソ会っている様子。
「あんな男とは別れるので、もう一度やり直しさせて下さい」
そう言ったのも束の間、またしても男の元に向かう麗子。
こうして…ジョセフに魅了されてしまった麗子は、家庭も夫も全て失う羽目になってしまった。
◇◇
「もう妻とは別れる。実は…妻には、もう2年以上も付き合っている男がいる。それも……かなりのめり込んでいるようなんだ。だから理恵、俺と新しく人生やり直してくれるかい?」
「本当ですか!本当に結婚出来るのですか?嬉しい!」
そういうと警視総監隆に抱き付いた。
「もう妻の元には戻らない。愛しているよ」
こうして…強く抱き合う2人
◇◇
美咲と山中、更にはアメリカの妻ジュリアに、ある日自分の音声を変えることが出来るスマホ専用ボイスチェンジャーで電話が入った。
「夫であるジョセフが、複数の女と付き合っている。更には法律で罰せられた重婚である」
そんな何とも奇怪な電話が3人の元に入った。
そして麗子の姿は消えていた。
更には何とも恐ろしい事件が起きた。実は…ジョセフが殺害されてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます