第10話 恋の行方
同じ慶高学院に通っている大輝と美咲の娘さくら。片や警視総監様と麗子の次男大和君。だが、この2組の夫婦の内バイオリニスト美咲の夫大輝(ジョセフ)と警視総監隆の妻麗子は不倫関係に有り今も関係が続いている。それでも、よくバレなかったものだと思うが?
実は…この慶高学院は9月中旬に作品展がある。夏休みの宿題の一環として夏休み中に作った作品の絵画やオブジェ更には手芸などが各教室に展示される作品展がある。更には10月初旬の運動会や2月に最も大切なイベントのひとつで、合唱や舞台劇の学習発表会が待ち構えている。この様な事情から同じ慶高学院の父兄として顔を合わせそうなものだが?
それでは何故2年以上続く不倫がバレずに済んだのか?
麗子の夫警視総監隆は早い段階で麗子の浮気を知っていた。それは子供たちがまだ慶高学院に入る以前から分かっていた
「年齢も20歳離れている妻と可愛い子供達を結婚してから唯一の宝物として、仕事も以前以上に更に頑張り、今の地位を築く事が出来た。それなのに……それなのに……妻は俺の息子程の男に身も心も捧げていた。今までの結婚生活は何だったんだ。許せない!絶対許せない!愛する妻が俺にも何くわぬ顏で抱かれ、その足で若い男とも肉体関係を持てたという事は、只の売春婦と変わらない貞操観念の無い、只それしか無い女ではないか?嗚呼……おぞましい。俺はこんな女を今まで愛していたのか?」
そんな時に同じ警察官で警視の理恵が、仕事で借りていたマンションに顔を出すようになり、理恵の強引さに負けて理恵と男と女の関係になってしまった。だから夫婦関係はすでに破綻していて、小学校の行事にも夫婦で行くことは殆どなくなってしまった。だから美咲だけは何も知らなかった。
◇◇
ある夜いつものように隆のいるマンションに現れた理恵は、甲斐甲斐しく料理を作り軽く晩酌をしてベッドに入った。
「理恵……こんなおじさんだが……この僕と……結婚する気はあるかい?」
「警視総監様には……奥様が……奥様が……私は……私は……今のままでも……こうして…いつまでも……お側にいられれば十分幸せです。もっと……もっと……強く抱いて下さい」
隆は損得勘定抜きで自分に身も心も捧げてくれる理恵が愛おしくてたまらない。そして…益々妻に対する気持ちが冷めて行くのを感じ、1日も早く別れたい。そんな思いで一杯になっていった。
そんな時に妻麗子が、余りにも家を留守にするので心配になり、マンションにこっそり顔を出した。
だが、マンションは真っ暗で誰もいない。
(もう仕事で疲れて眠ったのかしら?それなら帰らなくては……)
そう思っていると何かしら……寝室から微かに”ギシギシ” ”ミシミシ”
すると……今度は……微かに……女性の喘ぎ声が「……嗚呼」
「聞き間違えかしら?」
そう思いこっそり寝室のドアを開けた。
すると……夫隆史と若い女が裸で夢中になって抱き合っていた。
だが、隆は一瞬で凍り付いた。それは妻が目の前に立っていたからだ。
「れれっ 麗子……シッ仕事部屋だから……来ちゃダメだって言ってあったじゃないか?」
「あなた……これはどういうことですか?教えて下さい」
理恵は慌ててタオルケットで身体を覆い「奥様すみません。(ノД`)シクシク」そう言って只々泣くばかり。それでも…今の現状に耐え切れず、理恵は急いで身支度を済ませて帰って行った。
麗子は余りの出来事に一気に悲しみが押し寄せて来て、思いっ切り泣き出した。
「あなた……何で……何で……こんな事に……こんな事に……ウウウッ(ノД`)シクシクワァ~~~~ン😭ワァ~~~~ン😭」
「こっちが言いたい言葉だよ。お前男がいるだろう?それも……2年以上も前から、よくもそんな事が言えたものだ。お前とはもう終わりだ。子供も置いて出ていけ!」
「あなた……そんな事おっしゃらないで。一瞬の気の迷いだったのです。あの卑劣な男に……強引に求められて……ついつい……うかつでした。お許しくださいワァワァ~~ン😭ワァ~~~ン😭」
「お前あの男と本気なのか?真剣に付き合っていたから2年以上も付き合えたのだろう?」
「あの男は……あの男は……私の心を弄んだだけの最低の男でした。今あなたに捨てられたら……私は生きてはいけません」
◇◇
「もうあなたとは終わりよ。散々私を弄び……私はあなたに捨てられたくないので高額の時計やバック……更には洋服も奥様連中を連れて足蹴くあなたのお店のある銀座や、あちこちのショッピングモ-ルで散々お買い物させられました。それもこれもあなたが、結婚してくれると言ったからじゃありませんか?だが、あなたは何と……うちの大和の同級生Ⅾ組さくらちゃんのお父さんだったなんて、それを知った時にはショックでどうにかなりそうでした。もうあなたなんて大嫌い!私に近付かないで下さい」
「麗子愛している。妻美咲とは絶対に別れる。だからもう少し……もう少し……待ってくれ!」
そして…またしても麗子を抱きしめ熱い口付けをした。
「本当にちゃんとしてくれるのね。私も……私も……ジョセフを……嗚呼……💋愛しているわ……」
だが一向にその兆しは見られない。そこで頭に来た麗子は言い放った。
「もうどんな事をしても無理!おしまいよ」
「お前!俺は麗子を離さない!そんな事を言うのなら殺してやる!」
そういうと麗子の首を思いっ切り絞め付けめた。
「ウウウッククルシイ!」
麗子は本当に死んでしまったのか?
隆と理恵、更には大輝と山中の恋模様の行方は……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます