第11話 レオナ様
「———はっ!?」
———何故か物凄い威圧感を感じて飛び起きる。
焦って辺りを見渡すと……そこはダンジョンではなくアニメとかでよく見る病室の様な場所であった。
そして俺の寝ているベッドの傍らには真紅に燃える様な赤髪の美女の……赤髪?
「…………えっ……?」
「よう、白星。来たやったぞ」
起きた俺に、勝ち気な笑みを浮かべながら「怪我は大丈夫そうだな」と俺の身体を見て頷く赤髪の美女改め———レオナ様。
…………夢か。
「……よぉーし……起きろ俺。もう夢から覚める時間だ。早く夢から覚めて唯に謝りに行かないと殺されるぞ」
「おい、これは夢じゃないぞ」
「夢じゃないわけあるかッッ!! 起きたら隣に推し? おい、妄想も大概にしろよ俺ぇえええええええ———痛でぇええええええええ!?」
俺は夢から覚醒するために敢えて自分の顔面を思いっ切りぶん殴ってみたのだが……物凄く痛い。
信じられないくらい痛い。
あまりの痛さに顔面を押さえて悶絶してしまった。
「ぐぉぉぉぉぉ……痛えぇぇぇ……」
「はははははは! やはり面白いな白星!」
「何処が面白———ん?」
俺はレオナ様の言葉に反射的に突っ込もうとして……ふと気付く。
夢なのに痛い……つまり夢じゃない。
この出来事が夢じゃないならこのレオナ様は…………。
「———本物のレオナ様!?」
「そうだぞ」
「ぇええええええええええええ!?!?」
俺の言葉に面白そうにニヤニヤしながら頷くレオナ様に更に驚く俺。
嘘だろ……マジでレオナ様か!?
あれ、レオナ様って今はアメリカに居るんじゃなかったっけ?
何で日本に居るんだよ!?
「いや、え、はっ、んん? どう言うこと……なんだ? ゆ、唯ーーー!! お兄ちゃんにちょっと説明を! 詳しい事情を説明してくれぇえええええ!!」
俺は取り敢えず唯を全力で呼んだ。
「———うん、さっぱり分からん」
俺は駆け込んできた唯の説明を聞いて尚、そう判断を下した。
唯が言うには、唯がボス部屋に乱入して来た時に俺がぶっ倒れて、取り敢えず配信を切って病院に連れて行かれたらしい。
うん、此処までは俺でも分かる。
問題は此処からだ。
「唯、もう1回説明頼むわ」
「だから、病院に連れて行ってお医者さんに見てもらって病室に連れて行かれたらいつの間にかレオナさんが居たの」
「え、何そのカオスみたいな状況。俺の理解力が足りないせいかさっぱり分からない」
「安心してお兄ちゃん、私も全然分かってないから」
俺達兄妹は全ての混乱の元凶であるレオナ様に視線を移す。
そこで俺達は同時に口を開いた。
「どうして此処に居るんです———は?」
「俺にサインを下さい———え?」
お互いにお互いの顔を見合わせる。
すると、首を傾げる俺に唯が苛立ちを抑える様に眉間を何度も指でトントンしながら目を瞑った。
「…………お兄ちゃん、それ、今言わないといけないこと?」
「え、大事だろ。寧ろそれが1番最初だろ」
「どうやら私にぶっ飛ばされたい様ね。いいよ、お兄ちゃんがそれで危ないことをしなくなるなら幾らでもぶっ飛ばしてあげるから」
「ストップストップ!! た、タイム! ダメだよお前に殴られたら俺吹き飛ぶだけじゃ済まないから! 寧ろゴブリンエンペラーと戦った時より怪我するからぁああああああああああ!!」
俺は唯に耳を引っ張られて悲鳴を上げる。
そんな俺達のやり取りを見ていたレオナ様が声を上げて笑い出した。
「ははははははははははは!!」
「「……??」」
俺達は突然笑い出したレオナ様に、頭の上にハテナが大量に浮かぶ。
そんなさっぱり分かっていない俺達……いや、俺の肩に何とか笑いが収まったレオナ様が手を置く。
「はぁーー……配信だけじゃなくて配信外でも面白いな……よし決めた!」
「え、えっと……」
困惑する俺に、レオナ様が言った。
「白星———私とコラボしよう!!」
………………はい?
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人気が出れば1日2話上がるかも。
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