第6話 2回目
「———はい、と言うことで、どうも老若男女、ニートから金持ち敏腕社長までこんにちは。世界が誇るF級ハンター、白星です」
俺が配信を始めると、一瞬にして同時接続人数が軽く5000人を突破する。
更には数秒毎に1000人のスピードで増えた続けていた。
《こんにちは》
《こんにちは!!》
《待ってました!!》
《こんちわー》
《こんちゃーす》
《昨日振りだな、白星》
《ちゃんと武器買ったか?》
《こんちゃー、今日は2階層突破か?》
「おう、今日は昨日のリベンジで2階層攻略するぞ。今回はちゃんとめちゃくちゃ武器買ったから任せて欲しい」
俺は自身の腰に付いているポーチ……とは名ばかりの『亜空間ポーチ』と呼ばれる某あおいたぬきの四◯元ポケットみたいなやつをポンッと叩く。
同時に物凄い数のコメントが流れる。
《お前それは……!!》
《コイツ……やりやがった……!!》
《まさかそれは……!?》
《あ、あ……》
《あ、あく……》
《あ、亜空間……》
《あ、亜空間ポーチだと……!?》
「お前ら仲良いな。まぁそうだよ、これは妹に買って貰った亜空間ポーチ」
《あ、『雷剣』の唯でしょ?》
《え、ガチ?》
《あれガセネタかと思ってたわ》
《いや、ガチらしいぞ》
《何でも一緒にショッピングモールに行ってたとか何とか》
《マジかよ? 才能も力も全部妹に分け与えてるじゃん》
《力を無償で与えられる白星さん、マジでパネェッス》
「いや、事実だけどさ? もう少しこう……オブラートに包もうぜ?」
俺はあまりにも的を射たリスナーの辛辣な言葉に顔が引き攣る。
まあ妹に1番高い《亜空間ポーチ》を買ってもらっている手前、何も言えないのだが。
と、その時———。
《お兄ちゃんを悪く言う奴は許さない》
《社会的にも身体的にも抹殺してやるから気を付けて発言することね》
《いや、本物いて草》
《何で本物って分かるの?》
《偶々違う人と二窓してたら唯ちゃんがめちゃくちゃ早い速度でスマホに打ち込み出したと思ったら此処にコメント来た》
《ガチやんか》
《エグ》
《てかダンジョン内でスマホ触って大丈夫なのか?》
《一応A級ダンジョンに潜ってるらしい》
「おい、何してんだよ妹よ。お兄ちゃん、ダンジョン内でそんな危ないことはしないで欲しいんだが?」
《ブラコンの妹にシスコンの兄か》
《まぁお互いが幸せならOKです》
《妹に何を買って貰ったんだ?》
《それな》
《めっちゃ気になるわ》
《唯ちゃんはめちゃくちゃ金持ちやぞ》
《亜空間ポーチは500万円くらいだったっけ? あ、800万円か》
《多分それくらい》
《兄にポンっとそれを買えるのがエグい》
「ほんとそれな。俺なんかお前らのスパチャのお陰で何とか武器が帰る程度だしな」
因みに今回は、スパチャの9割は武器に使わせてもらった。
まずは俺の十八番『閃光玉』が200個。
そして『炸裂玉』と呼ばれる閃光玉の3倍の値段の玉が50個。
ロケランが3つに、殺傷用爆音玉100個、魔鉄製の短剣が1本。
後は企業秘密なモノが何点か。
「どうだ? 今回はガチのガチで準備してきたぞ。あのクソゴブリン共には10倍で返してやらんとな……!!」
《買い過ぎだろww》
《恐らく世界で1番アイテム準備してるだろうなww》
《恨み強過ぎて草ww》
《企業秘密の部分が気になるんだが》
《と言うか白星って短剣使えんの?》
《それな》
《見た感じ使えそうにないよな》
《だってステータスボードにさえ(雑魚乙)って書かれるくらいだもんな》
「お前らネット民はイチイチ言葉の攻撃力が高いな!? 俺でも短剣くらいは使えるわ! 幾ら何でも俺を舐めすぎだろ!?」
俺が憤慨して講義するも、コメント欄には《だってゴブリンに負けたし……》って言う無慈悲なコメントが数多く載せられていた。
確かにゴブリンに敗走する奴は俺以外見たことないけども!!
俺自身雑魚過ぎて笑えてきてたけど!!
「———お前ら見とけよ! 絶対にゴブリンなんか瞬殺してやっかんな!!」
「———はい、バズーカ発射!」
「「「「「「「グギャッ!?」」」」」」」
バズーカに当たった無防備なゴブリン共が苦悶の表情(本当かは不明)を浮かべながら死んでいく。
そんな昨日とは完全に立場が反対となったこの場で、俺は高笑いを上げていた。
「ハハハハハハハハ!! 愉悦! マジでスカッとする! これが罠に嵌めて袋叩きにするってことか! 昨日楽しそうにしながら俺を遊んでくれたクソゴブリンさん達よぉ? その相手にフルボッコにされるのどんな気持ちなのかな? ハーッハハハハハハ!!」
《げ、ゲスい……》
《これはエグい……》
《まあ残虐なのを除けば1番安全なのはこの方法だよな》
《まあ……それは確かに》
《その残虐の部分が除き切れてないんだよ》
《めちゃくちゃ白星が魔王に見えて来たんだけど》
《マジでそれなww》
《まさか罠で全ゴブリンを一気に足止めするとは……》
そう———俺は2階層の階段の近くで、ある一定時間の間、レベル20までのモンスターを麻痺させる『低レベル用麻痺罠』を設置したのだ。
あとは身体を張って走りながら何十匹ものゴブリン達を誘き寄せて罠に嵌めたと言うのが事の顛末である。
「しゃぁあああああくたばれぇええええええええええええ———ッッ!!」
《もう鬼だな》
《いや悪魔だろ》
《血も涙もねぇ……》
《まあモンスターに同情して殺されるよかマシだけど》
俺は再びロケランをぶっ放した。
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人気が出れば1日2話上がるかも。
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