第2章 肉塊はヒトの脳を破壊する・・・・筈だった
「
博士が
「出る、だと ? お前は
「仕方ありませんね」
ガシャァァアン
培養槽が砕け散り大量の水が
そして、金色の光りを
「バカなっ!」
博士は
「
「ブッダ・釈迦」はそのまま上昇し天井の外壁をすり抜けるように夜の闇に吸い込まれて行った。
金色の光りに包まれたままで。
「おい、
「ブッダ・釈迦」の中に居た
「今の現世の情報収集をしたかったのですよ。とても興味深いモノも見つけましたしね。ひとまず地上に降りましょう」
釈迦はそう言うとジャングルの中に降り立った。
光りに包まれている姿はそのままである。
「・・・・あのさぁ。アンタは本当にお釈迦様なのか ?」
阿修羅が恐る恐ると言った感じで尋ねる。
「アナタはどのようにお考えですか ? 宗教と言うモノを」
釈迦が逆に尋ねてくる。
「・・・・全ての宗教は人が考えて創り出したモノだよ。死の恐怖に打ち勝ち生きていく為に。少なくともアタシはそう思ってる」
「でしょうね。ワタシもそう思います。しかし、それではワタシが使っている「力」は何なのでしょう」
その言葉に阿修羅が噛みつくように大きな声を出す。
「それだよ! ジジィが言ってたようにアンタがしている事は物理法則に反してる!」
「この現世は単純な構造では無い、と言う事ですよ。この現世にも
阿修羅はフウッとため息をつく。
「あぁ、そう願いたいね。アタシにもワケわかんないから。余剰次元にしても実際にコネクトしないと判んねー事だろうし。あれ ? だけどアンタはコネクトしてるんだよな ? アンタはジジィが造った細胞体を寄せ集めた肉塊に過ぎないのに」
「そこがワタシにも謎なんですよねぇ」
釈迦は光りに包まれながら
「ワタシの肉体はアナタが仰ったように人為的に作られた肉塊に過ぎません。しかし、アナタから「
ブーッ ブブーッ ブーッ
釈迦の声は激しいブザー音でかき消される。
「ヤベェ、ジジィだ」
阿修羅の声と同時に博士が
「阿修羅、やっと補足したぞ! 何が起きているのかは我々にも理解不能だ。しかし起動したからには当初の計画を進めねばならん。予定していた都市に行き「人の脳内の
「嫌だっ!」
ヘッドギアのマイクから聞こえてくる阿修羅の声に博士は
「何だと、どう言う事だ!」
「・・・・アタシは最初からそのつもりだったんだよ。ジィちゃん」
阿修羅の声は続く。
「アタシは人の
普段は冷静で
阿修羅は泣き叫んでいた。
そんな阿修羅を見ていた釈迦は、ハッとする。
もしや、ひょっとして。
そして、その意識は地球から15億km離れた地点に移っていた。
ソレは土星の周回軌道を抜け地球へと向かっていた。
第2章 完
余剰次元および超弦理論に関しましてはウィキペディア等でお調べ下されば幸いです
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