第20話 重大発表を聞く姉
~姉視点~
大学に通うようになってから1週間経った。
相変わらずすぐに疲れてしまうが、少しずつ体力が戻ってきている実感はある。
そんなある日の夜、ご飯を食べていると唐突に父さんから重大発表があった。
「そうだ二人とも、俺たち結婚することにした。」
けっこん………結婚!?
「わぁ!!!二人ともおめでとう!!!」
うわぁ!!こりゃめでたい!!私が事故ったからどうなるんだろうって思ってたけど、結婚するなら良かった!!
隣の美優もニコニコしながら祝っている。なんか美優からキラキラしたオーラが出てる気もする。心の底から父さんと母さんに結婚してほしかったんだろうな。
美優はほんまにええ子やでぇ…。お姉ちゃんとっても嬉しい。
「ありがとう二人とも。なんだかこんなに祝ってもらえると照れるな。」
「ふふっ、そうねあなた。でもよかったじゃない、これで私達は正式に家族になるのよ。」
「そうだな。初めは陽菜と美優の仲が心配だったが、丸く収まって良かったよ。」
そのまま父さんと母さんは笑顔で話し始めた。うんうん。二人が幸せそうでこっちまで嬉しくなっちゃう。
………あっ!これだけは聞いとかなきゃ。
「ごめん父さん。これだけ聞いちゃいたいんだけど、結婚式はやるの?」
「ああ、次の日曜日にやる予定だ。」
「そっか、りょ~かい。」
次の日曜日ね。えっと、今日は金曜日だから、次の日曜日は…あさっ……て……。
「って、明後日じゃん!!!!早すぎない!?!?」
この人何かするときいつも早くない!?心の準備すらさせてくれないじゃん!!
「ははは、そこまで仰々しいものでもないから安心してくれ。身内と知り合い数人呼ぶだけだ。」
「それでも準備ってもんがあるでしょーが!!!」
父さんは笑い続けている。つられて母さんや美優まで笑っている。
もう!!父さんはまったく!!振り回されるこっちの身にもなってよ!!
「まぁまぁお姉さま、落ち着いてください。確かに早いとは思いますが、こういうのは早めの方が良いとは思いますよ?」
「それはそうだけどさぁ。いくら何でも明後日は早すぎると思うんですよお姉ちゃんは。」
………はぁ。まぁこの人は昔からこうなので慣れてはいる。少人数の結婚式らしいし、多分カジュアルな感じでやるんだろう。そうじゃなきゃ困る。
…まぁそんなに肩肘張らずに済みそうなら明後日でも良いかな。
それに、皆が笑っている今の雰囲気に変に水を差したりしたくない。私も結婚式が嫌と言いたいわけではないしね。むしろ大歓迎。
「まぁ、別にいいや。それよりも、会場の手配とか招待とかは大丈夫なの?」
「ああ、それも既に済んでいる。」
「…そっかぁ。」
それならもっと早く教えてくれても良かったんじゃないですかね!!!!
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