第21話 将来の話をする姉と妹

~姉視点~


 今日は父さんと母さんの結婚式だった。父さんが言っていた通り、とても小規模な結婚式で、そこまで緊張せずに済んだ。


 挙式は既に終わっていて、今は会食の時間だ。出てくるご飯がおいしい。


 それにしても結婚式かぁ…。二人は幸せそうだけど、私も将来こんな感じに成れるかな…。とか思っていると、隣の美優から話しかけられた。


「お二人とも幸せそうですね。」


「そうだねぇ。今日はずっとニコニコしてるもんね。」


 そう言いながら二人の方を向く。友人らしき人たちに囲まれながら父さんは照れて、母さんはそれを見て微笑んでいる。


「将来はこのような明るい雰囲気の結婚式を開きたいですね。」


「うんうん。一生の思い出になるだろうし、楽しいのがいいよねぇ。」


 今日みたいに親しい人だけ呼んで、堅苦しくない結婚式がいいな。


「ええ、絶対に思い出に残る結婚式にしましょうね。」


 美優はどんな結婚式を開くのかな。美優は見た目のイメージから和風の結婚式とか似合うかもしれない。もちろんそれにしろって強制するつもりはまったくないけどね。


 私は……結婚出来るかな…。相手探しから始めなきゃ…。




「それにしても、母さん綺麗だなぁ。」


 ウェディングドレス姿の母さんはとっても綺麗だ。


「そうですね。とても綺麗だと思います。」


「羨ましくなっちゃうよねぇ。私も将来着てみたいな。」


 ウエディングドレスとかめっちゃ憧れる。いつかは着れたらいいな。


「お姉さまなら絶対に着れますよ?」


 妙に確信めいた言い方をする美優。私が結婚できると信じてくれていて嬉しくなっちゃう。まぁ結婚相手の候補すらいないんですけどね!!!ちくせう。


「だと良いよねぇ。」


「お姉さまなら大丈夫ですよ。どのようなウェディングドレスを着るか、将来は一緒に決めましょうね。」


「お~、いいねそれ。」


 ウェディングドレスを一緒に決めるとか姉妹っぽくていいな。お互い相談しあったりしてさ。そんでもって、式当日は控室で「行ってらっしゃいお姉さま」って送ってもらう。


 ……うわ~!!なんかいい!!これすごくいい!!


「ふふっ、結婚式が楽しみですね。」


「そ~だね~。」


 美優はどんな人と結婚するのかな。美優はとっても可愛いし、将来はすごくかっこいい人と結婚してそう。少なくとも相手に困るってことはなさそうかな。ちょっと羨ましい。


 お互いの結婚式が楽しみだ。なんだかんだ言って、私もいつかは相手ができるだろう。多分。



―――――


~妹視点~


 食事中、お姉さまがお母さんとお父さんを見て放心していたので話しかける。


「お二人とも幸せそうですね。」


 今までの人生で一番楽しい時間なのではないだろうか。


「そうだねぇ。今日はずっとニコニコしてるもんね。」


 そういうお姉さまも自分が微笑んでいることに気づいているのだろうか。人の幸せを喜べるお姉さまはとても素敵だ。


「将来はこのような明るい雰囲気の結婚式を開きたいですね。」


 お姉さまとの結婚式も今日みたいな明るい雰囲気で開催したい。参加者の皆が私達を認め、心から祝福してくれる、そんな結婚式がいい。


「うんうん。一生の思い出になるだろうし、楽しいのがいいよねぇ。」


「ええ、絶対に思い出に残る結婚式にしましょうね。」


 一生に一度しか経験できない私とお姉さまの結婚式だ。絶対にお姉さまが楽しかったと言える結婚式にしなくてはいけない。


 そしていつか、あの時の結婚式は良かったねと振り返るのだ。




「それにしても、母さん綺麗だなぁ。」


 お姉さまがポツリと漏らした。


「そうですね。とても綺麗だと思います。」


 確かに今日のお母さんはいつも以上に綺麗だ。お姉さまが見惚れてしまうのも分かる。


「羨ましくなっちゃうよねぇ。私も将来着てみたいな。」


「お姉さまなら絶対に着れますよ?」


 だって私の結婚相手ですし。


「だと良いよねぇ。」


「お姉さまなら大丈夫ですよ。どのようなウェディングドレスを着るか、将来は一緒に決めましょうね。」


 お揃いのウェディングドレスになるのだから、二人でじっくり話し合って決めよう。


「お~、いいねそれ。」


「ふふっ、結婚式が楽しみですね。」


「そ~だね~。」




 私達の結婚式が心の底から楽しみだ。

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