第15話 お礼

今日はミレイユにさんに呼び出された。

何かあったのだろうか。

部屋に入るとミレイユさんに


「ベッドに横になって。」

と言われる。

??

ぼくは訳の分からないまま素直に従った。


ミレイユさんの顔が近づいてきた。

ぼくは目をつぶる。

顔が真っ赤になっていた。


「疲れているだろうから・・マッサージしようと思ってるだけだよ。」

なあんだ、びっくりした。


「本格的なのは寝かせたほうがいいっていうから・・・。」

ミレイユさんの手がぼくの肩に触れた。


「固っ。本当に凝ってるみたいだな。」

筋力はあるみたいでぐいぐい押してくるけど・・後で痛くなるかも・・。


「寝かせたままって難しいな・・・。」


「ちょっと待って。」


ぼくは体勢を変えてうつ伏せになった。


「これならやりやすくなると思うけど。」


「そうか。確かにこっちの方がやりやすいな。」


あーびっくりした。

仰向けだと、ミレイユさんの胸のふくらみが近くに来て心臓に悪い・・・。

真近で見ると意外と大きかった。


「で、出来ればもうちょっと優しく押してくれると嬉しいな。」


「え?強すぎた?ご、ごめん。」


「大丈夫、ゆっくりでいいから。」


優しくミレイユさんが体をほぐしてくれる。

めっちゃ気持ちいい~。

このまま寝てしまいそう。

ぼくは気持ちよすぎて・・そのまま寝てしまった。





「ご、ごめんなさい。せっかくマッサージしてくれたのに寝ちゃって・・・。」


「最近頑張り過ぎていたんだろう?疲れが出たんだよ。謝ることは無いよ。」


「でも・・・。」


「じゃあ、お詫びにデートしてくれるか?」


「え?」


「私ツカサと王都でデートしたかったんだ。」




****




休日ぼくはミレイユさんと王都の街中へ来ていた。

のんびりと歩いている。


「いいお天気だね。」


「・・・。」


あれ?会話が続かない。

少し前までは普通に話せていた気がしたんだけど・・。

王都に来てから話してなかったっけ?


ぼくはミレイユさんを見た。


「どうしたの?」


「何だかスカートが恥ずかしくて・・着なれないから・・。」


「嫌だったら無理しなくて良かったのに。」


「でも、折角せっかくのデートだし。こういうの大事だろう。」


普段のスラックスもかっこいいけど、スカートを穿くとやわらかい雰囲気になって素敵だ。

髪も編み込んであって手が込んでいる。

薄く化粧もしてるみたいだ。


「今日のミレイユさんも綺麗だよ。」


ミレイユさんの顔、真っ赤になってる。


「ちょっとそういうの、言われ慣れてなくてどう返したらいいのか・・。」


「有難うっていえばいいんだよ。」


ぼくは優しくミレイユさんの手を握った。



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