第3話 呪いと亀

「でもまさかシノが西の魔王を倒した伝説の勇者様をつれてくるなんて!お母さんびっくりだよ!」


「ありがとうございます、お母さん」

「西の魔王・ソドムから受けたこの呪いが解ければ、シノさんと夫婦になる約束を交わしているのですが…残念です」


「交わしてないわっ!ただウチが薬屋だから、一応助けてくれたお礼に!…と思っただけ!」



シノの母親は耳打ちでシノに話す

(あら、いいじゃないシノ、魔王を倒すほどの勇者様よ?たまのこしじゃない?)


「いやよ!それに…これは「」でしかないんだから」



ここで出番の村の男達!

「シノちゃーーーん!今日こそ俺たちとデートしよーー!」

薬屋の窓から数人の男達がシノに求愛する


「はぁ…」

大きくため息をつくシノ



「ずいぶんモテますな、シノさん」

少し驚いているマサルをどかし、シノの母は村の男達に向かう


「またかい、うるさいねぇ…」

深呼吸をするシノ母

「どっかお行きーーーオス共ーー!」


「うわぁーーー!」

シノ母が大声をだすと吹っ飛ぶオス共



「これは凄い…呪いの力…ですか」






人々は生まれながらに呪いを持つ

それぞれが己の苦しみと戦いながら生きている



シノ母の呪いは大言霊

その気になって叫べは人を殺せる力を持つ


シノの呪いは魅惑

異性を惹きつける唇を持つが

自らの想い人を遠ざける



「まったく…毎度面倒だよ、ほんと」

「さぁて、シノ!」

「ここから東に20キロ、ジョエリアって町に、マリアという魔女がいる」

「助けてくれた礼に案内してあげな!もしかしたら呪いの効力を抑える事ができるかも」



「おぉ!ありがとうございます!お母さん!」

「ではシノさん、行きましょう!」



「なんでそうなる…いやです」

シノ母の提案に喜ぶマサルだったが、シノにはあっさり断られる











ジョエリアに向かうため

その辺の森に入っていくマサルとシノ


結局案内することになったシノのテンションは低かった


「はぁ…なんでこんなことに…」


「よいではありませんか!これも何かの縁!」

「なんなら、このまま全魔王討伐に同行して下さっても構いませんよ!」


「いやですー!ってか人間が魔王を倒せるなんてありえません!無謀すぎます!」

(…そうだ…今まで人間が魔王を倒したなんて聞いたことが…)

(この人…一体…)


「シノさん危ない!」



エルダーモンキーの群れに遭遇、襲われる二人



「エルダーモンキー!マズイです!」

「勇者さん、いつの間にか群れの中に!?」


「マサルでいいですよ、シノさん」



一斉に襲いかかるエルダーモンキーの群れ




「シノさん、オラから離れるんじゃねぇぞ!」



「えっ!?何キャラ?」



マサルは両手の中に力を溜め始める

「かー…めー……」



「いや!めっちゃパクリやんけ!」

「それはダメでしょ!!!」



「波ぁーーーー!!」

ズドォーーーーー!!!!!


マサルの手から巨大な亀が出現し

エルダーモンキー達を吹き飛ばす


「亀えぇーーーっ!?」

亀波かめはーーって!ダサすぎるだろーーー!!」


驚きながらも


適切なツッコミを入れるシノは流石だ

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