第3話

ライダーは戦う。ライダー同士で戦うこともある。


そこにあるのは、願いだ。


現実に変わって欲しいという願い。その願いのために、手に入れた力を振るう姿が、エネミーの印象である。僕の見るエネミーは、常に人の願望の何かを捉えている。


その願望の行進曲に待ったをかけるのが、仮面ライダー。彼もまた、願いを拳にのせて、正義を胸に、戦う。


願いのために戦う。それは、エネミーも、ライダーも、同じだ。善悪二元論で、割りきることのできない願いの儚さがそこにある。自分こそが、その願いを守らなくてはならないのに、固執するほど、がんばるほど、立ちはだかるものが現れる。


異なる願いがぶつかるとき、そこには、時として、争う道しか残されていないのかもしれない。


人の願いと未来への思いとは、なんとも儚いものである。

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