第2話

仮面ライダーの敵は、夢だ。


人の持つ夢。願望。欲望。その具現化した姿と対峙するのが、仮面ライダーなのである。


文化、文明、思想、そして、個人の願望。

そういった欲望に連なるものと向き合い続けるのが仮面ライダーなのである。対峙した欲望の姿に、仮面ライダーは自分の姿を重ねる。戦うことの意義、それは自分のエゴではないのか、時に迷いを生じ、行いの正しさを自問し、迷いの中でも拳を振るう孤独な戦士なのである。


人を傷つけることは許さんといい放つ仮面ライダー。その言葉には、どこか寂しさがある。己もまた、欲望を満たすために作られた兵器であるということを知っているからである。いや、知っているからこそ、正義にこだわり、正義でありつづけようとする、その姿に、ヒーローと呼び声をあげるのだろう。

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