第12話
山本の家にて
「大悟さん、トイレに行くからついてきて。」
「え?なんで?」
「だってずっと一緒にいてくれるって言ったでしょ?」
「それはそうだけど...。中には入らないですよ?」
「いいよ!」
それからしばらくして
「大悟さん、シャワー浴びるからついてきて。」
「えー、一緒に浴びるの?」
「そうよ。恋人同士だから変じゃないでしょ?」
「それはそうだけど...。」
またまたしばらくして
「大悟さん、買い物ついてきて。」
「え?この前まで他の職場の人に見られるのが嫌だからって言ってなかったっけ?」
「いいの!大悟さんは私の半径1.5m以内にいないといけないの!」
「ええぇ...。」
「じゃあ、ホームセンター行って、ザイルを買ってきましょう。」
「え?ガチなの?」
「本気よ。」
それで結局二人をロープで結ぶことになった。車の乗り降りでフックを外すこともあるが、それ以外はずっと付けている。風呂やトイレは例外として外すが。
とある日
「今日はロープを解いていいわ。買い物に行ってきます。」
「え?何を買ってくるの」
「秘密。」
そう言って桜井は出て行った。
しばらくして帰ってきて、桜井は大量のお酒とタバコを買ってきた。すると山本が
「日奈子さん、これはいくらなんでも買いすぎじゃありませんか?しかも日奈子さんは喫煙者じゃないじゃないですか。」
「タバコを吸うなとか酒を飲むなとか私の勝手じゃないの!」
「また長渕剛の純恋歌ですか。相当好きなんですね。まぁ、私も昔はタバコをやってましたが。」
「とにかく、しばらくは私の好きにさせて。」
「まぁ...。事情は分かりますが...。ほどほどにね。」
「それより大悟さんの家を引き払って私の家に行かない?家賃もったいないし。」
「まぁ、僕は刑務所に入る前の貯蓄でなんとかしてますが、確かに厳しいですね。日奈子さんがよければ。」
「じゃあ決まりね!」
そして山本は桜井の家でお世話になることになった。
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