第10話

早川は山本をデータベースで調べた。そうすると過去に傷害での前科があることが分かった。


「クソ!あいつ前があるのか!桜井さんは知らないに違ってる!俺が知らせなきゃ!」


そういきり立っていた。


しばらく桜井と山本の行動を調べることにしたが、自分の仕事でなかなか調べることができなかった。そんな中、大きな交通事故の話が入ってきた。


「おい!早川!行くぞ!」


と河本が早川に声をかけた。


「わかりました!」


と早川も答えた。


そして現場に着き、そこは凄惨な交通事故の現場だった。周りには人だかりもあり、その中震える桜井をすぐに発見する早川であった。その隣に『あの』山本大悟がいるのだあった。


「お前か!山本大悟!」


と早川は山本の胸ぐらを掴んだ。


そしてそれを河本が止めに入った。


「おめぇ、どんな事情があるか知らんが見当違いも甚だしいぞ。みっともねぇ。」


と杭を刺され早川は我に返り


「あぁ、すみません。」


と答えた。


それからひとまず一連の作業を終え、桜井を自宅まで送ることにした。


「桜井さん、もう大丈夫ですからね。私がついてます。安心してください。」


「あぁ、私は...。私は一体...。」


「そんなに怯える必要はありません。あなたに落ち度はないのですから。」


「あぁ、ありがとうございます...。う、ぅぅぅ...。」


と取り乱す桜井であった。そしてそれをなだめる早川だった。


そして桜井を実家まで送り、


「桜井さん、しばらく仕事は休んでおいて結構ですよ。河本先輩もそうおっしゃってます。ですのでしばらくゆっくりしてください。私も時々見に来ますから。」


「分かりました…。ありがとうございます...。」


そういって家に入り、ガチャと鍵を閉める桜井であった。


「はぁ。どうしたものか...。やはり桜井さんが頼るのは山本大悟だろうな。悔しいけどそうなるだろうな。今日はつい、いきり立ってしまったが、誠実で実直であるべきだろうな...。」


と自分に言い聞かせる早川であった。

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