道場訓 二十五 今さら気づいても、もう遅い!
「――〈
俺は襲いかかってきた魔物どもに対して、遠距離用の技であるその場での
ゴオオオオオオオオオオ――――ッ!
数秒後、巨大な黄金色の
それは圧倒的な火力を
現に俺の〈
これが人間ならば一発で戦意を
しかし、残っているのはAランクの上級魔物たちばかりだ。
同じ種族だろうと他種族だろうと、狂気と殺意を高めていた状況で弱腰になることなどない。
そうだよな……お互い、冷静にもう
俺はニヤリと笑って残りの魔物どもを
3分の1の魔物を一瞬で倒した俺の〈
けれどもAランクの上級魔物は馬鹿ではない。
二発目の〈
直後、様々な種族の殺意の牙が
それでも俺の心は乱れない。
俺は地面を力強く蹴ると、3メートル以上はある前方のオーク・エンペラーに飛びかかった。
そしてオーク・エンペラーの筋肉と脂肪が詰まった
内臓を中から破壊されたオーク・エンペラーが
巨大な棍棒を振り回してくるオーガ・カイザー。
だが、今の俺はオーガ・カイザーの攻撃など目を
俺はオーガ・カイザーの棍棒を身を
それだけでは終わらない。
俺は間髪を入れず、飛び
ゴキンッ!
俺の揚げ突き(アッパーカット)でオーガ・カイザーの首の骨はへし折れ、そのまま3メートル以上はあったオーガ・カイザーは背中から倒れて絶命する。
まだまだ!
気が乗ってきた俺は本能のままに肉体を動かした。
俺の
まずはもっとも倒しやすいジャイアント・トロールだ。
俺は全身毛むくじゃらの巨人であるジャイアント・トロールのパンチを避けると、ジャイアント・トロールの左膝に渾身の蹴りを叩き込む。
あまりの蹴りの衝撃に膝をつくジャイアント・トロール。
俺は助走なしに数メートルの高さをジャンプすると、無防備だったジャイアント・トロールの頭頂部に――〈
次はお前だ!
俺は地面に
身体と凶暴さが巨大化した
ダーク・フェンリルは
その口で俺を
しかし、俺からしてみれば
俺は神速の踏み込みから
バアンッ!
俺の〈
そしてダーク・フェンリルは大量の血と
続いての敵はそれなりに
通常の打撃や斬撃はもちろんのこと、攻撃魔法でも火力が低ければダメージは与えられない。
金属の肉体が生半可な攻撃などすべて弾き返すからだ。
けれどもメタル・ゴーレムの恐ろしさはそれだけではない。
メタル・ゴーレムは丸まった口から魔法とは異なる、
俺はそんな
そしてメタル・ゴーレムの胴体に、衝撃波が内部へ深く
〈
といった具合に俺はそれぞれの種族に合わせた、もっともダメージを与えられる攻撃で魔物どもを戦闘不能にさせていく。
もちろん
俺はジャイアント・トロール、ダーク・フェンリル、メタルゴーレムを倒すと、
できれば1体たりともエミリアに近づかせたくない。
俺のそんな思いを感じ取ったのではないだろうが、幸いなことに魔物どもは俺のはるか後方にいる冒険者の一団よりも、俺一人のほうが
1体たりとも冒険者の一団へは向かわず、今のところ俺だけをターゲットにしてくれている。
その点だけは本当にありがたかった。
俺一人だけをターゲットにしてくれるのなら、心置きなくお前たち全員を1体残らず始末できる。
次の瞬間、残っていた魔物どもが目を血走らせつつ突進してきた。
憎悪と狂気が入り乱れた、何十もの眼光が俺の全身に
魔物どもはようやく気づいたのだろう。
目の前の
だからこそ、誰が先に殺されようが一斉に襲いかかって俺を仕留める決意を強めたのかもしれない。
「今さら気づいても、もう遅いけどな」
それに魔物どもは根本的に勘違いをしている。
俺としてはむしろ
まだこいつらの大将が残っているのだ。
そいつを倒すまでは少しでも体力と
などと俺が再び戦意の炎を燃え上がらせたときだ。
何だ、この異様な気配は?
俺はアリアナ大森林から得体の知れない
そして俺はあまりの予想外の出来事に
なぜなら――。
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