ねらいうち ①
「え? これ、いけんじゃね? てかこれ、楽勝でしょ」
「てか、なんでこいつらこんなイケメンみたいな扱いされてんの? どこがって感じじゃね?」
「うん、てか化粧してる時点でキモいんだが。それだけでもアウトなのにキツすぎだろこの厚化粧」
「だからな。これ絶対オレらもイケるだろ? だって……ほら、ナオナオとかもうイケメンじゃん!! え!? こいつらより全然イケメンじゃん!!」
「だよな!! ナオナオまじイケメン!! 流石、女子百人にLINE交換の男!!」
「百人斬りじゃなくて百人LINEじゃん!! 百人LINE!!」
「そうそう!! それでその後、全員からブロックされてるとか……クク……マジ持ってんだろこいつ……クク……クク……カカ……」
「タクちゃんウケすぎだろてか……笑い方……!!」
「もう〜マジやば〜!!」
あはは……。いつも通り僕はそんな笑い方をしていく。こういうのを見ると、女の友情は浅いとか、誰が言ったんだろうと思うし、なぜそれが女性蔑視にされないのかも大いに謎だ。
もしかしたら、今この状況を周りに女の子がいたら「男子ってばかだよね〜」とか「いいよね〜男の子は」なんて言って黄昏たりするのかも知れない。
小学生の頃に見た漫画や、中学までの同級生の女子はそういうようなことを、言っていた気がする。
さて、ここに至るまでどういう経緯に至ったか説明しよう。
だが、その前に話は小学生とかに遡らなければいけない。
小学生の時、俺は、秀平(しゅうへい)という少年と友だちになった。秀平は運動抜群でクラスの人気者だった。
そんな秀一は友だちが少ないわけがなかった。クラスで大半の奴と友だちで、俺もそのおこぼれではないけど、色々な奴と遊んだ。
だけどその内、秀平の奴は変わっていった。いつの間にか、すごく偉そうになり、仲間内でハブったりするのなんてのは、頻繁に起こしていた。
周りの奴は誰も気づかないし、ハブられていても、弱虫なだけとクラスの奴らから笑われていた。
女子やお母さん方なんてのは問題外だ。
男子のそういうのを目の当たりにしても、男子の過剰な遊び、男子は仕方のない生物、なんて認識をしていた。
俺はそんな中でも、俺はなんとか上手くやっていた。
だが中学生になると、その勢いがますます強まった。仲間内では秀平が一番上でその他はみんなランキング争いとなっていた。
何が基準で上がったり下がったりしたか。
それはもちろん秀平の機嫌だ。
秀平が気にいるか気に入らないか、それだけが基準。だから、劣りすぎてても、優秀すぎても駄目。
こういうのを見ると、会社内の上司への持ち上げとかお酌、太鼓持ちの練習はこうやってやるんだな、なんて思っていた。
そして高校生の時、この時に最大の時間を起こしてしまった。
俺は運悪く、秀平とは長い付き合いとなってしまったから巻き込まれてしまった。
そもそも女子に目をつけたのが、間違いであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます