第20話 水魔法を駆使してLet’s 洗濯☆
「――誰もいない、よな。よし!」
ガラルが去ったあと、俺は購入した食品を整理すべく、いったん【ポータブルハウス】へインハウスすることにした。
アイテムボックス内へ入れておいても問題はないかもしれないが、無限に入るわけではないだろうし、万が一のときに備えて確実な容量を確保しておきたい。
目に見える状態の方が、何がどれくらいあるのかも分かりやすいし!
「――食材もそれなりに揃ってきたな。忘れないうちにレポートも書くか」
俺は今日あったことやウェスタ村の様子、ファームで購入した品や金額などを可能な限り詳細に記していった。
最初は書き慣れなかったレポートも、だんだんコツを掴んできた気がする。
「――よし、こんなもんか」
例のテンプレメールの返信を待って、Pショップを確認する。
早速ショップでポイントを確認すると、なんと15610ポイントになっていた。
「なんかやけに増えてないか? いやまあ助かるけど」
どこかにポイントの推移が見られる画面があれば――――お、あった。これか。
ポイントの下に書かれている「詳細を見る」の部分をクリックすると、
*****
初回特典ポイント……3000P
初日の通常レポート……1000P
布団セット、お弁当Aの購入……-3790P
ガラスのコップ、箸の購入……-200P
二日目の通常レポート……3000P
購入品と金額に関するレポート……3000P
食器用洗剤、スポンジの購入……-400P
クーラーボックスの購入……-2000P
精霊に関するレポート……5000P
料理に関するレポート……3000P
三日目の通常レポート……3000P
購入品と金額に関するレポート……1000P
*****
と表示された。
どうやら、昨日提出した精霊と料理に関するレポートの報酬が思ったより良かったようだ。何でも提出してみるもんだな……。
「二口のIHコンロは買える額か……。でもそれより先に、冷蔵庫と洗濯機の方がほしいんだよな。あと炊飯器とテーブルもほしい。というか、そろそろ洗濯の方法を考えないと……」
資金(ボックル)は潤沢にあるし、下着やTシャツくらいなら買ってもどうってことはないが、だからといってそんなところに無駄に使いたくはない。
「第一の人生では当然洗濯機を使ってたし、第二の人生では、そもそも家事というものをまったくしてなかったからな……」
雑用や家事は、すべて使用人や身分の低い兵士たちが担当してくれていた。もしくは、専門の店に頼んでいた。
魔王を倒すための最重要人物とされていた俺は、屋敷ではもちろん、旅の途中でもその場面を見ることすら許されなかったのだ。
「――いや、待てよ。洗剤は買ってあるわけだし、水魔法で水球を作ってその中に洗濯物を放り込めばどうにか――」
俺は試しに、水の初級魔法で水球を作り、その中に溜まっている洗濯物と洗濯用洗剤を入れてみた。
水球は壊れることなく、ふよふよと宙に浮き続けている。
だが、水が停滞しているこの状態では洗えない。
もっと水を動かして、揉むように――。
洗濯物と洗剤が入った水球の水を魔力で揉んだり回転させたりと動かしまくり、水球を変えては繰り返すこと三十分。
どうにか汚れも洗剤も綺麗に落ち、洗濯が完了した。多分。
「――つ、疲れた……。できなくはないけど長時間の集中は大変だし、やっぱり洗濯機は必須だな!」
この世界の人は、どうやって洗濯してるんだろう?
洗濯機らしきものが売っている店は見てないし、手洗いが主流なのだろうか?
町を回っている間に、何軒か庭に洗濯物を干している家は見掛けたが。
洗っている最中を目撃することはできなかった。
俺はPショップでハンガー5本セット(150ポイント)を購入し、洗った洗濯物をカーテンレールに引っかけて乾かすことにした。
「――ん? あれ?」
そしてそこで気がついた。
この部屋に最初に来たとき窓際にあった、あの謎の結界が消えていた。
*****
所持金:4,764,190ボックル
ポイント:15460ポイント
*****
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます