第2話 部屋に現れたパソコンと、Pショップ
「まずはスキルとアイテムの確認からだな……」
所有アイテム欄にある【アイテムボックス】は、アイテムを異空間に収納できる四次〇ポケット的なあれだろう。そして【ポータブルハウス 】は、さっきの部屋。
Lv.1ってことは、レベルが上がると進化するのか……?
「あと【地図帳】は――なるほど、画面上に出るのか」
ステータス画面内の【地図帳】をタップすると、画面が切り替わった。
が、画面は真っ白で、唯一記されているものといえば恐らく俺の現在地を示している赤い点のみ。
拡大されている状態なのか地形も分からず、これではまったく意味をなさない。
「自分の足で歩いた部分が記される――とか? 本当は、歩く前に知りたいんだけどなぁ。まあでも、ないよりはいいか」
現在地の確認はいったん諦めて、今度はスキルの方へ目をやる。
「【神の援助】と【レイヤー透過】? まったく意味が分からないな。援助って何してくれるんだ? レイヤーって、絵を描く人がよく言ってたやつだよな? 俺、絵のセンスは皆無だぞ?」
スキルもアイテムも、これといった説明が一切ない。
どうせなら、この【神の援助】で一から教えてほしいものだ。
ステータス画面をくまなくチェックし、あれこれ考えてみたが、結局スキルについては何一つ分からなかった。
◇◇◇
「――今日はもうここで休んで、明日あの村を目指すか」
女神の説明不足で状況確認に時間を要し、気づいたときには日が傾き始めていた。
村の様子もよく分からないし、夜に突然尋ねるのも申し訳ない。
俺はいったん【ポータブルハウス】内へ戻り、そこで一夜を過ごすことにした。
「でもここ、何もないんだよな。せめて布団はほしい。あと食べ物と水も。そういえば、ここに来てから何も食べてないな。腹減った……」
キッチンはあるが、水道と流し台があるだけで冷蔵庫すらない。
コンセントがあるってことは、家電を入手することはできると思うんだけど。
そんなことを考えながら部屋に戻ると、部屋の真ん中にさっきまでなかったはずの四角い板のようなものが置かれていた。なんだこれ?
「……パソコン!?」
白いツヤツヤした背面のノートパソコンを開くと、電源を入れる前に画面がつき、いくつかのアイコンが並んだトップページが表示された。
アイコンには、「クローゼット」「Pショップ」「レポート」「メモ」「メール」の5種類がある。メールもあるんだ。
「Pがよく分からないけど、ショップってことはここで何か買えるのか?」
Pショップを開くと、そこには家具や家電、食材などなど、この家で生活するために必要なアイテムがずらりと並んでいた。
ここで買うのか……!
お金はたしか500万ボックルあったはずだし――って、うん!?
*****
所有P:3000P
*****
「これはもしかして、ポイントで買うってことか……?」
*****
パジャマ……1500P
布団セット……3500P
:
:
お弁当A……290P
お弁当B……390P
お弁当C……600P
:
:
*****
え、高っ! いや、オレの所有ポイントが少ないのか?
布団セットの時点で既に足りてない……。
これ、ポイントはどうやったら稼げるんだ???
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます