いらいらゲーム
あー。
友達が死んだ。
天才だった。
アイツを好きな女の子が一杯いた。
これは友人と知人女子の恋愛を書いたレクイエム。
供養小説だ。
+
『寺子屋遊戯』
それは僕が中学3年の出来事でした。
「お兄ちゃん、ただいま!」
「お帰り、緑。お母さんもお帰り」
妹は7歳です。2人っ子。
「お留守番ありがとう。何かお兄ちゃんにお手紙来てた」
「手紙? ……【国立オーラ能力研究大学】?」
(ふーん。血液検査で? 僕、何か超能力の才能があって? 研究に協力してくれるなら大学までの学費は――)
(…………)
(凄いな)
「どうしたの?」
「あそべー!」
うーん。
妹にも、いい大学行かせてあげたいなあ。ウチ普通の家だし。
お金な。
節約か。良し。
「あのね、お母さん。僕、家を出てもいい?」
そして高校1年生――。
…………。
「くたばれぇえええええええええええええ!」
「ヒャッハー! なかなか強いな、てめえ! 面白くなって来た」
「【デスゲイズ】!」
「【グリズリーブラスト】!」
「【パワーボム】!」
「【キラークラッシュ】!」
「【グレイトパンチ】!」
「あー、もう男子たち! もう嫌! 逃げたい!」
(えっと……何ここ)
今は朝。何かえーと。何と言えばいいのでしょう。
登校して来たばかりです。僕の能力は【レアリティアップ】。
他人にかけるタイプの補助系能力。攻撃力防御力0。
カードゲームで言えば魔法カード。さておき。
「【デスゲイズ】!」
「【グリズリーブラスト】!」
「【パワーボム】!」
「【キラークラッシュ】!」
「【グレイトパンチ】!」
「うりゃー! 死ね!」
「ヒャッハー! お前がだ!」
(えーと……)
何なんだろうな、皆。
何か爆発と熱風。嘘です。どたばた殴り合いの喧嘩。
「どれも物理でしょうが! 最強談義やめい! オーラ能力者全員団子! 殴っても青痣すら出来ねえ! 攻撃力10が12くらい! 鉄砲で撃てばいいのよ!」
何なんだ。
「嫌だよう」
「帰ろう」
「男子には、やらせとこう」
「本当。最強最強言うよりも、テストの順位上げなさいよ」
ぞろぞろと消え去る2年生っぽい人たち。
「何で、こんな学校来ちゃったのよ……」
1人だけ残ってる、ちょっと上品で綺麗な人。先輩なのかな。髪さらさら。
「あの。何が起きてるんですか」
「誰よ。あんた1年?」
「あ、はい」
「見りゃ分かるでしょ。超能力バトルよ――!」
+
「【デスゲイズ】!」
「【グリズリーブラスト】!」
「【パワーボム】!」
「【キラークラッシュ】!」
「【グレイトパンチ】!」
「てりゃー!」
「ヒャッハー!」
+
「ぽかぽか殴り合ってるだけですが」
「そりゃ俺様最強打撃系能力者ばっかりだからね」
「はあ。止めたいんですか」
「うるさい。黙れ」
「あのう。怒ってます?」
「教室帰れ」
「先輩は?」
「あんたの先輩になった覚えはない」
「他校生でしたか」
「怒るよ……! 【ロンリー=ガール】――謝れ」
(? 口が)
「『失礼しました』……」
おや。
何か勝手にしゃべった。今のは?
「え?」
「どうしました」
「1回? 『悪かったな!』とかじゃないの……?」
「え?」
新聞部2年 梨村アリス
【ロンリー=ガール】
謝らせる。
「……悪気はないのか。このKY」
「はあ」
「『失礼しました』って初めて聞いた。あんた、ビジネスマンか何か?」
「僕15歳……」
いや、もしかしたら今のが能力?
(効くかな……えっと)
「あの、ちょっと肩に触らせてください」
「何……?」
めっちゃ警戒。
+
「【デスゲイズ】!」
「【グリズリーブラスト】!」
「【パワーボム】!」
「【キラークラッシュ】!」
「【グレイトパンチ】!」
「おりゃー!」
「ヒャッハー!」
+
「バフかけます」
「バフって何……?」
「捕助魔法」
「は?」
「あれ何とかしたいんですよね?」
+
「【デスゲイズ】!」
「【グリズリーブラスト】!」
「【パワーボム】!」
「【キラークラッシュ】!」
「【グレイトパンチ】!」
「WRYYYYYYYYYYYYYYY!」
「ヒャッハー!」
+
「まだやってるか!」
ぼこすかぼこすか。
決着のつく気配なし。
「男子め。キミ、何したいの……」
「能力強化能力だそうです」
「え? え……?」
隙あり。
肩に手ポン。右手。
「ちょっ! 嫌っ! 触らないで! 汚いっ!?」
そこまで嫌がらないでも……。
「【レアリティアップ】」
1時間に1回だけ自分のことを弱いと思っている女の子を強化する。
「え? 【THE LEGEND】――」
「喰らえ! ……おげっ?」
「行くぜ! おごへっ?」
「く、クロスカウンター……」
「いいパンチだったぜ……ふ。ぐはっ」
「ぐえー」「ぐえー」「ぐえー」「ぐえー」
「死んだ……」
倒れちゃった。相討ちで。皆。
男子の先輩たちは死屍累々。
こりゃ強い。こういう能力だったのか。
【ロンリー=ガール】→【THE LEGEND】
相手のヒーロー願望を叶えてあげる。めっちゃ強くなるが要以外の男を殴る。
「勝ちました」
「何キミ……」
さて。1時間どうしよう。隠れると言うか教室行かないと。どこだ。
「ちょっと……部室来て」
「は?」
「お願い……」
本音は嫌そうなんですけど。いや、教室。
+
「部長。こいつSSR」
「何この子……? はあ。Cだってさ」
「自己認識が? これで」
何のことやら。
3年新聞部部長 野原おだまき
【キラカード】
自分をどのくらい強いと思っているかが分かる。
+
「どいつもこいつも俺様最強と思ってやがるのよ」
「はあ」
ひでえな。この先輩たちの能力。あと45分あるけど野原先輩には多分効かない。
「あの駄々っ子ぱんちの能力でですか」
いちいち憶えてねえなあ、アイツらの。
「自分が痛いから相手も痛いと思ってる。効いてねえから、ぼかすか殴ってるんだけど」
「どの道、団子」
ふーん。新聞部か。
朝っぱらから何でいるんだ。
ちょっと迷惑。梨村先輩、何かきょどきょど。
お茶くらい欲しいな……。あるわけないけど。
「タピオカミルクティー金箔入り飲む? 昆布カステラもあるよ」
…………。
え。
「部長。殺人罪で告訴するって言いました……」
「美味しいのに」
はあ。
何かなあ。そろそろ教室に行かないと。
「待って。絶っ対、放課後も来て!」
え。
汚いって言ったくせに? 45分か……。
「ふーん。アリスがねえ……」
+
何で校長先生の話って長いんだ。時給制なのかな。
B組の教室に戻る。場所憶えなきゃね。クラスの皆と、ぞろぞろと。
連絡事項そこそこ。帰るか。
「あのね……迎えに来た」
「おや」
梨村先輩?
「美人……」
「何? 彼女……?」
あれー。
あー、まあ、凄く綺麗な人だし。
「えーと……来い。冬林だったよね……」
1時間はとっくに経った。
+
「大同盟を組みたい!」
「1時間に1回だけです。他の子にも使えない」
「げ!」
何なの。
「男子。部活も委員会もやんない。隙あらば戦ってる。仕事は女子にしわ寄せ。ムカつくったら」
はあ。困った。この学校。
「殴りっこで?」
「異能力高校最強決定戦よ……キミのクラスも3日でこうなるわ。先生たちが温いから」
へえ。まあ、お役人だし。他の部員って、どうしてるんだろう。
「ひたすら弱っちい子を紹介してくれると助かります」
「う」
「何?」
「やだな……。充電式かよ。美味い話ねえのか」
あー。
「警察みたいな真似しても逆に駄目ですよ」
「うざいのよ!」
「私は耐える」
「部長!」
「んー……。この能力で金もらえると言うのが信じられないんだよね」
「言えてますね」
「帰りたいのよ……。でも学費返せって。寮費も」
「あー……」
転校? 困ったな。受験勉強サボった。ヤバイ。
「俺の能力は湯飲みの茶渋を落とす能力だ――」
「俺は4コマ雑誌の発売日を完璧に記憶出来る能力を持っている――」
寮暮らしなんだけど、ルームメイトはこんな奴らだ。
部屋替え……ちょっと嫌かもな。
ないといい。
+
女子寮に行くわけもなし。今は寮。
うーん。集中出来ねえ。勉強きつい。
ルームメイトとの友情? いやー。面白い連中ではあるけど。
名前、何て言ったっけ。あ、やばい。
ツケ回って来そう。でもなー。元々。
+
「究極のバトル漫画とはコンピューターゲームなのだよ、冬林」
何言ってんです、部長。
あ。
分かった気がする。
「主人公の成長を何年もかけて見守るよりも自分でレベル上げしたほうが面白い」
「まあね」
「【ロンリー=ガール】……」
「あ。すみません。無視して」
「いいんだけさ。『すみません』か……」
今日もアイツらはバトル。だけど骨すら折れない。
僕も身体細いけどねえ……。
アモさんメタル化仁王立ち動画は痺れたなあ。炎も聖なる十字もシャットアウトで。
ドララン引換券は、やっぱりリストラしてたけど。
ダンサーに転職したら、プラテナ装備でコンテスト優勝した後に酒場送り。
格闘場、完全な無駄。新キャラも優勝景品も要らない。ドラランいるし。
「遺伝子淘汰かあ……」
「何ですか、先輩」
「ふーん。私を2号にする? アリスが本妻でいいよ」
「やめて、部長……」
はあ。ハーレムラノベか。
客観的に見ればそうかもな。
変な語尾とかないけど。2人とも。
にゃるーんとか。
そんな女がいたら絶対けばけばしいイルカの絵とか売り付けられる。
ローンで。
「銃が強いの」
「どんな能力者よりも?」
「核爆弾最強」
「ホームセンターで売ってないです。チェーンソーなら何とか」
「かばんに入んない」
「4次元ポシェットの能力とか欲しかったな」
「アレ最強アイテムなの、冬林……」
+
「攻撃力の低い重戦士。経験値もらえない。RPGって人をタダで雇用出来ると勘違いしちゃうから良くないの」
「僕、記事とか書けませんよ」
「いいのよ。モールス信号で」
新聞部か。
押し紙問題とか漫画で読んだ。関係ないけど。
「サメ映画、面白いよ」
高い。
「デッキない。部長……」
「まあ観たら人生損する」
はあ。【ロンリー=ガール】は使わないのか。
「お勧めした私が悪かったかな……。でも誰かと語りてえのよ。ひっでえ以外に感想ないんだけど。核エネルギーサメとか。灼熱してるの」
要らねえ。
「何で戦うんだろうね」
「……メスの獲得」
「【ロンリー=ガール】!」
「あ、下品でした。お詫び申し上げます」
「……あんた子役だったりした?」
テレビなんか出ねえよ。
「【THE LEGEND】使えない……。恨まれるよ……」
相手を鉄砲玉にする能力! はっはっは。
「要らん。Cで合ってた……」
「まあ、アイツらGだけどね」
「他の子に紹介……?」
ナンパ目的と思われるのもアレだなあ。勉強つまらない。
「クラスの男子が、だんだんAからFに下がっていくのが楽しいったら。平和だね……」
別に銃弾飛び交ってないし。素手ゴロの流れ弾ってない。
+
「2人きりなの……?」
勉強したいとかって。
「大学エスカレーターなのに……」
「勉学たりい。ネットに載ってる。やってられるか!」
+
「あのさ、壁に穴空いてた。犯人突き止めたい」
駄目です。止めます。部長。
「何でよ」
人間殴る度胸のないチキンです。
「あ、そっか。無害か」
「【ロンリー=ガール】!」
ん? あ、無効だ。
「ちょっと! 何か怖い……」
何が。
「えっと……早い」
はあ。
「一緒に怖がろうよ……」
あ。感情を共有出来ないと思われたか。
「あのね。付き合って……」
は? 先輩と?
「【ロンリー=ガール】!」
「あー、美人さんだとは思います。すみません」
「何故フォローを入れた……?」
それが謝るということでは。
「あんた、よく分からん……」
そうなのですか。
「ほうほう。確かに、こんな能力持ってるオスならな……」
「アリスー。彼氏出来たってマヂ?」
+
うーん。
僕らの生活費は国からの補助金です。
この学校の人たちが、どんな能力名つけてるかのリスト作りたいな……。
能力名だけ分かる能力ってあるかな。
「【ロンリー=ガール】!」
「あ、はい。他の部活には行きません」
「そうなの。迷惑なの。知らない奴が来るの。で、一応能力者なの。たとえクラスメイトでも能力は秘密……。普通はね……」
何か言いたげ。
クラスメイトか。他人。アイツら何県民だろう。
+
「【ロンリー=ガール】!」
「昆布カステラに興味を持って申し訳ありませんでした――!」
ガチで泣きたい。
口の中にフナムシが這っているよう……。
「何でこんな奴に見せたの……私」
? 聞こえなかった。
+
「【キラカード】――Cのままかい」
戦ってないしなあ。何でアイツら能力名を叫んだ後にパンチ?
「【ロンリー=ガール】!」
「口が過ぎました」
戦う能力者とは使えない能力者。憶えた。
「警官だからって訓練でもねえのに身体使うな……」
なるほど。警察学校だったのか。
「いや、推理……」
万が一、犯人逮捕に繋がる能力者がいれば儲けもの?
え。
学費と寮費を無料って。
あかんな……。
「うぅ……怖いよ」
確かに。
「相手が自信家かを調べる能力」
顔見りゃ分かる。
と言うか、どうせ話さないし。
「【ロンリー=ガール】使っちゃ駄目か。私も話さん……反省」
+
「あのー、聞いた……」
部長の友達さん?
3年 杉浦琴琴
【表帳簿】
何回タダ働きをさせられたかを憶えていられる。
「パシリ? 女の子に?」
「もう嫌なの……。ぴりぴりしてて」
困ったな。
籍入れて家に隠すわけにもいかないし。
「【ロンリー=ガール】!」
「訂正します」
「何なの、お前……」
「あのさ、私を強化出来る……?」
はあ。
うーん。
この能力使っちゃ駄目なんだと思う。
調子に乗るな。これが言いたいのだと思う。
《ほう。気付くのか》
?
何か聞こえたような……。
「ふーん……。まあ、男子見てると」
「きついんですけど……」
うーん。
入部届出して「部活入ったからー」で縁切っちゃえばどうですか。杉浦先輩。
「はあ」
「お前さ……」
友達が他にいないから付け込まれてるんですよ。
名義貸します。友達料無料。
「いいのかな……」
「冬林……あのね」
?
「……あのさキミ。この学校を卒業したら結婚してくれない?」
「げ!」
何やねんな。
で、何で梨村先輩がこんな反応してるの。
「あの、私が先……」
「うー。だってこれ」
うーん。何で急に。僕、年下なのに。翌日。
+
「むしろ友達も連れて来た……」
「ごめん……琴琴。あたしどうかしてた……」
「いいよ。瑠璃。あのくらいなら」
はあ。
仲直りしたならいいんですけど。
「【ロンリー=ガール】! また増えた……!」
? 何で使うの。
+
3年 柊瑠璃
【アイテム×アイテム】
落とし物を拾った時、知り合いだったら分かる。
(うーん……)
そんなシチュエーション、ピンポイントでねえな……。
「役に立たない……私たち」
「国民の税金で……」
ヤバイよ。
僕たち泥棒だよ――。
+
1年B組 双葉久遠
【スモールアイドル】
相手の名前を忘れない。
「匿って!」
えっと。
どこで僕の能力を知った。
「どうしような……。弱いのか。私の【キラカード】も……」
そりゃそうです。
「【ロンリー=ガール】!」
えっと。
「失礼……」
「どうしよう、これ!」
「この学校、変!」
うーん。もう1人来たんだよね、実は。
+
1年B組 山神美里
【スコアラー】
何回他の能力者に敗北したかが分かる。勝利は分からん。
「0か……」
戦ってないし。
何か似てるな。部長と。
+
【セイレーン】
声真似をする。15分。
【SORRY BERRY】
謝ると許してもらえる。口応えしていてはいけない。
【ダーツマスター】
狙った箇所に物を投げる。殺傷力は0。
+
困ったな。
多分この学校の女子全員に効くのか。【レアリティアップ】……。
この1時間に1回だけのクソ能力が。
+
【素通り通り】
一度歩いた道を忘れない。
【プロミス】
嘘を見抜く。
【劇団シルフ】
5人以上で固まっていると飛び道具を逸らせる。
ちょっとだけ使える。
+
【シングル】
求婚や告白を断れる。
【アニマルレポート】
ペットを探す。射程1キロ。
何だこれ。
+
【見返り教師】
人に物を教えると質問に1つ答えてくれる。
【オールドウォッチ】
植物を枯らす。
【吸血鬼作法】
貧血にする。寝れば治る。
【フェイクカップル】
彼氏のフリをしろというお願いを聞いてもらえる。1日だけ。
(げ)
「駄目……冬林くん共有物」
「この能力者の子供を産むから殺さないでって国にお願いするしかない……」
全員が?
「能力強化能力……産まれた子は強いかも」
「それしかないよね……。卒業してった人たち、どうなるんだろう……」
「いつからあるの? この学校……」
+
【ステップアローン】
ダンスが得意になる。5分。
【センサー】
文章の中から知っている人間の名前を探す。
【シープシェルター】
お客様をぐっすり眠らせる。
【姉妹の誓い】
能力を教えると能力名だけ教えてもらえる。
意味ねえ。
+
【春風日和】
花粉症にならない。
【プリティー・ナイトメア】
3日間徹夜出来る。
【プラント】
酸素を出す。(最弱候補)
「ここ超能力の素質のある人間を間引いてるんだと思う……」
あ。いや。
本人に通知しない。素質があると分かったら家族ごと殺すと思う。
「え……?」
超能力者が怖い? 何で、その超能力に目覚めさせてから殺すの。
無防備な時に殺れよ。
皆弱いけど、万一やべえのが出たらどうする。
時を止めるとか吹っ飛ばすとか。
僕が一般人の立場なら、そんなリスク負わない。
素質があるかどうかだけ調べて能力不明な内に殺す。
安全だから。
「あ。ヤバイ。天才か……」
+
【雨の日も晴れの日も】
傘を忘れなくなる。
【隣の食卓】
好きな食べ物を教えてもらえる。
何なんだこれ。昆布カステラは酷かった。
+
【姉妹センサー】
女兄弟がいるか分かる。
【娘×妹】
子供好きな人か分かる。
「結婚して!」
あの……。
+
【シスター×ブラザー】
兄弟構成が分かる。
2人目かよ。
+
【重ね重ね】
3回頼みごとを断られると相手は1食抜く。
ちょっとキツイ。
+
【CRESCENT】
三日月の夜だけ喧嘩に強い。
「翌日報復に遭うの……!」
意味ねえ。
+
【哀哀】
夜に呪いをかける。翌日正午に鼻血を出す。
しょぼ! 皆、攻撃力0か。
男子もなあ。うん。
ルームメイトは、いい奴らだ。
「くっくっく」
「ふふふ……」
含み笑いをすることを除けば。うぜえ。
うーん。
こんなカス能力しか出ないなんて。
とっくにデータが出てるはずだよね。何年も前に。
なのに、まだ研究続いてるのか。
+
【アトリエ・メリー】
油絵の具を塗り直しする。
【リラックスタイム】
18時以降に何か命令されると1週間以内に相手は不幸に遭う。
【フリースマイル】
どんなに嫌な相手でも作り笑顔ができる。
【ローンクライ】
40代以上の独身男性を感知するレーダー。半径30メートル。
酷いんですけど。
+
【ダガー】
爪が伸びる。飛び出しナイフくらいの威力がある。
【リターン】
相手は両親に電話したくなる。死んでいた場合は墓参り。
「魏志倭人伝って知ってる……?」
何ですか、梨村先輩。
「副曰
おや。
「何で副将なんかの名前を記録するのよ……。大将でしょ? いや、それも要らんわ。王様の名前すらないのに、何故副将の名前があるのよ馬鹿!」
あー。
歴史学会ってアホなのかな……。
「伊都国って伊賀のことじゃないのかな……」
+
【セーフティー】
電車で痴漢されない。
【ティーチャーキラー】
年上の男性に挨拶すると、相手は自分との結婚を考えなくなる。
どれも酷い。
【ストーム】
台風の接近を感知する。
どうやってだ。
【ホワイト×ホワイト】
布の汚れを落とす。
【キャンディーチャンス】
綿を操る。
(防御にも攻撃にも使えない……)
「ぬいぐるみ作る時……」
「買いましょうよ」
【ドッグコントロール】
犬を狂暴化させる。
【作法礼儀】
手紙やメールの書き出しを思い付く。
【カースド=ギフト】
相手に物をくれてやると3ヶ月以内にぶっ壊れる。
復讐型の能力が多いな。
【リベンジャー】
自分に激痛が走るが、相手は歯が痛くなる。15分で治まる。
「助けてください……」
モテてるの? 僕……。
【世渡り賛歌】
約束を破っても5分間の嫌味と説教で済む。
【嘘つき殺し】
相手は自分の発言の矛盾に気付く。
うーん。TCG日常生活バトル版って感じ。
女の子ってこんなに男が嫌いなのか。
【見習い中間管理職】
人が助けを求めて来た時に、もう1回自分でやらせる。
【リフォーム】
壁の落書きを消す。
【ファイタープライド】
年上の男性に「いやー、俺オッサンだから!」と言わせる。
何でやねん。
【レストラン】
手料理に正直な感想を言ってくれる。
【マジカルアワー】
1番好きなアニメを言わせる。
【ハウスキーパー】
家に遊びに来たいというお願いを断われる。
【トークメモ】
相手が最後に言った話題を憶えている。
日常生活を円滑にする能力しかねえなあ……。
うーん。
厨二能力を発現させた奴は殺される? 犯罪者候補だから。
+
ここまでが1話なんだが。
誰も読んでくれん。
腐りそうなんだよな……。
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