第35話 『完全体』
『その程度カ。今度はこちらからゆくゾッ』
魔竜王が、無数の光弾を飛ばしてきた! これは俺の
「クソッ……! なんでお前が、俺の創作スキルを
『ククッ……
ったく、
『どーシタ? 逃げ回ることシカ出来ぬか? もっと我を
魔竜王が、光の
「チッ……! 己のスキルの対処法を、知らないとでも思ったかっ!」
レティシアの銀の剣が、通常の3倍の輝きを見せた! まさか正面から受け止めて、カウンター戦法か!? レティシアもまた、この一戦に命を賭けている……!
正面からぶつかる二つの光!
『ほぅホゥ? 存外ニ粘るではナイか。いやはや、人間にシテおくのが勿体ないワ。ダガ、これならどうだッ!?』
魔竜王から、今度はドス黒いオーラが
「なっ……バカな!」
「レティシア……!」
女王がレティシアを庇うように、
『他愛もないのぅ。こんな
「――テメェエェエエエエっっ!!」
魔竜王は俺をジロリと睨み、
「……っ!? なんでお前が、将軍のスキルを使えるんだよっ!?」
『ナンセンスなりっ! “上位互換”の魔王なら、使えて当然であろうッ!』
まぁ理論上はそうなんだが、反則にも程があんだろ……。せめて、両手が自由に使えればな。
「タクミ、私を見捨てなさい……」
「何言ってんだっ! そんなマネ、出来るわけないだろっ」
しかし、アリシアは静かに首を横に振った。
「私がいても……足手まといになるだけ。パパの仇を討ってくれたら、それでいいから……」
「だからって……!」
『折角、そー申しておるノダ。お言葉に甘えたらどーだ? 我も“お荷物”を抱えていたから敗けました、なんて言い訳は聞きとうナイしな』
「それ以上言ってみろ、俺はガチで手段を選ばねぇぞ?」
目を細めた俺に、魔竜王は黙った。ここで『何度でも言おう』と言えないあたりが、コイツの三下たる
よし……ヤツがビビってるうちに、アリシアを安全な場所に……
『バ カ め ♪』
「……っ!? タクミっ、
「なにぃ……!?」
振り向くと、俺の眼前には魔竜王の大口が……! しまった! ビビったのは
『絶望せぇよぉおおおおオオオオッッ!!』
――ガブリッ、ゴキグシャ、ベリバリボリ……!!
魔竜王はしつこいくらい
「タクミ、ウソでしょ……?」
「バカな、これは悪夢だ……」
絶望に打ち
『おやオヤァ? 唯一、我に“勝てる可能性”がある
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