第34話 魔王からは逃げられない

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 ◆ ◆ ◆


――ゴォオォオオオオッッ!!


 闇の波動が、魔竜王を呑み込んだ! 全力フルパワーで放ったせいか、髪が白く変色していた。肩で荒く息をするアリシア。


「ハァ……ハァ……! どうよ……ザマミロっての」


『なんだぁ……今のはぁ?』


 煙幕の中から魔竜王が、デデーン! と出てきた。バカな……アリシアの命を削った一撃が、全くのノーダメだと……?


「なん……ですって」


『やるなら先に言え。埃が目に入っただろーガ』


 前肢で目を擦りながら、ボヤく魔竜王。


「なんてことだ……奴が『その気』なら、我々は即全滅だ」


『ククッ……貴様らは、貴重な“糧”だからな。骨の髄まで、“絶望”を喰らってやろうゾ』


「絶望……だと? そもそも、貴様の目的はなんだ?」


 レティシアに魔竜王は、ニンマリとムカつく笑みを浮かべた。


『もちろん、タクミ・セナへの復讐ナリッ! だが、それは“序章”に過ぎヌ。我は人間と魔族……否ッ! 生きとし生けるもの全てを取り込み、究極の存在となろうゾッッ!!』


「ハァ? なに考えてんだオメーは?? 仮に誰もいなくなった世界を支配しても、意味ねーだろが」


 俺に魔竜王は、貴様が言うなッ! と鋭くガン垂れた。


『タクミ・セナッ、そもそも貴様が悪いのダゾ? 我は“異界最強”であった。その我をあっさり抜きおって……! 我は己より優れた存在を許さヌ。万物の頂点は、一人でヨイのだッ!』


 出たよ、お得意の『逆ギレ & 責任転化』……しかも、しょーもない動機だ(呆)


「ご高説、わざわざどーも。だが、テメェを跋扈のさばらせたのは俺の落ち度でもある。こうなるって分かってたら、ダンジョンの時に全殺ししてたさ!」


 中途半端に生かすなという、いい例だ。


『ハッ! この状態でも、貴様らごとき片付けるなど余りあるわッ!』


 魔竜王が、大きく息を吸い込んだ! 瞬時にレティシアが抜刀する!


終の秘剣ラストシークレット……光の螺旋オーロラっ!」


『バカめ……! ソレは一度見たワッ!』


 魔竜王は、オーロラをそのまま吸い込んでしまった! しまった、ブレスはフェイントだったか!


「チッ! これなら初見のハズだっ! 分裂弾バレットスピリッツっ!」


 光弾が無数に分裂して、魔竜王に突き刺さるも本人はどこ吹く風だ。


「クソッ、これもダメか……!」


『ムハハハハッ、この程度で絶望してクレるなよ? 貴様らには、まだまだ“絶望”してもらわんとナッ』


「皆さん! ここは一旦退いて、態勢を立て直しましょう!」


 女王が素早く何かを唱え、俺たちは『高速移動』する! が、不可視の壁に阻まれてしまった!



『おんやぁ? まさか知らなかったのか? 魔王からは逃げられぬぞ……!』

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