第20話 アリシア再び
俺は
そのアリシアは俺を『スカウト』すべく、直接王国に乗り込んできた。結果的に惨敗して、逃げ帰ったわけだが。
俺は帰還の方法を探すべく、相棒で皇女でもあるレティシアの城に世話になっている。なんでも国王から国を救った『英雄』と祭り上げられ、厚待遇を受けていた。
てか俺、まだ
「タクミ殿、今日の予定じゃが……」
「ていうか、いつまでこんな
アリシア撃退後、なぜか俺と国王の立場は逆転していた。王城の復旧に忙しいハズだが、俺とレティシアが中心にやっている。
「ハハハ、タクミ殿。ワシに再建という大役など、こなせるわけなかろう」
「単なる公務放棄でしょうがっ!? ちゃんと国王らしく振る舞ってくださいよ」
「タクミ、それは難しい。父上は女王である、母上の尻に敷かれてたわ」
「うぅ……レティシア、それは言わんでぷりーず……」
俺は
続いて、本来の目的である『帰還方法』……こちらは難航している。やはり、資料館がやられたのが痛い。おまけに過去の『異邦人』についても、
「もももも……申し上げますっ!」
突然、兵士が血相を変えて、玉座の間にきた。
「何事じゃ? ワシは今、イジけておるのじゃぞ?」
「国王っ、それどころではありません! 闇の皇女を名乗る者が、タクミ殿に会わせろと門の前に居ますっ!」
「「なっ…………!?!?」」
俺とレティシアは、顔を見合わせた。闇の皇女って、アリシアだよな? なんで今さら……? 俺とレティシアは話し合い、慎重に通すように言った。
もし少しでも妙な動きをすれば、今度こそ拘束しなければならない。
◇ ◇ ◇
「ハロータクミ、元気してた?」
「お前……ふざけるなよ?」
あっけらかんとしているアリシアを、俺は睨みつけた。レティシアも、険しい表情になっている。
「……今さら我が城になんの用だ? 返答次第では、タダでは済まさんぞ……!」
「なんだか無性に、タクミの顔が見たくなってね」
アリシアはレティシアをガン無視しつつ、俺を見つめた。
「俺はお前に用なんてないけどな。そもそも異界を放ったらかしてまで、何しに来たんだ?」
「そ、それは……」
何故か口ごもるアリシア。
「どうした? 言いたいことがあるのなら、ハッキリと申してみよ!」
「つ……」
「……つ?」
レティシアに
「追放されたのよっ、異界をね! タクミ、アンタに敗れたせいで!」
…………『追放』だって?
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