第13話 『因縁』

   【復◯の呪文を入れてください】


 ていへん さっか のおれ いせかい で そうさく に はげんで たら いつのま にか でんせつ に なってた(自動入力)



 ◇ ◇ ◇


「おぉタクミ殿っ! よくぞ戻られた!」

「アンタが、勝手に中断したんだろっ!?」


 三度目のツッコミ。この国王、素でやってるのか分からなくなってきた。


「ハハハ。我がヴァンクリーフは、笑顔を絶やさぬ国ですぞ?」

「……ツッコミが絶えない、の間違いじゃないか?」


 これには、周囲からも笑いが漏れた。ったく、何を訊こうとしてたか忘れただろ。一人の兵士がツボったのか、まだ「クククククク……」と笑っている。


 これには大臣も「これ、いくらなんでも笑い過ぎじゃ」とたしなめるも、やがて爆笑に変わった。


「ハハハハハ、無理だ! こりゃケッサクだわ!」


 聞き覚えのある声。まさか……と思ったら、正体を隠すつもりはないらしく、偽兵士はあっさりと本性を現した。


「……っ!? お前、ダイヤモンドっ!」

「よォ、コゾー。案の定、イキてやがったカ?」


 大臣が即「曲者だっ、出会え!」と叫ぶも、レティシアがこれを手で制した。


「大臣は父上の避難を! 兵士の皆も、ここは私たちに任せてもらえるかしら」


 レティシア、ナイス判断だ。こういう場合、少数精鋭に限る。


「エレナっ、貴女も居るんでしょ!? 出てきなさいっ!」

「……バレてたのね。流石は元メンバーの、リーダーといったところかしら?」


 エレナも何処からともなく、あっさりと姿を見せた。


「……よく面見せたもんだな?」


「予定外だったけどね。まさかダイヤが、あそこまで笑い転げるなんて」


「いや、だってヨ? こいつらの茶番が、あまりにも面白オカしくてナ。復◯云々うんぬんもアレだが、そのままヤルのもウケるよなァ」


「そんな事より、何しに来たの?」


 レティシアのスルースキル、俺も習得したいね。


「なーに。念の為にエレナの水晶玉を通して、お前らの様子を窺ってた。まさかあの闇竜を退けるとはな」


「私たちは、あなた達の『抹殺』を命じられてたの。つまり、あなた達に生存されてると困るのよ」


 随分、一方的な物言いだな。まー元より人間ではないが。


「要するに自分らの『尻拭い』かよ。わざわざ変装までして、ご苦労なこった。それとロゼさん、ブチ切れてたからな? 今すっ飛んでいって、全力土下座すればワンチャン許してくれるかも」



「あ"ッ!? 調子くれてンじゃねーぞ、餓鬼がッ! 今度こそ仕留めてやっからヨッ!」


 都合の悪いことはスルーかい。まぁ新しい『創作』をこいつで試してみっか。明らかに闇竜より弱そうだしw


「タクミ、セレナは私が引き受けたわ。あなたはダイヤに集中して」


 有り難い。んじゃお言葉に甘えて、元ギルドのゴミでも片付けてやるか。



――Next ざまぁ回

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