第12話 ヴァンクリーフ王国
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◆ ◆ ◆
俺は今、レティシアの祖国であるヴァンクリーフ王国へ向かっている。どうしてこうなったかというと、対魔族用に俺の力が必要だとか。
見返りとして、俺が元の世界に戻るのを協力してくれるらしい。以前、俺が助けた行商が王国に用があるので、相乗りさせてもらった。
◇ ◇ ◇
「タクミ、見えてきたわ。あれが私の祖国、ヴァンクリーフ王国よ」
レティシアが指差す方を見て、俺は思わず「へぇ……」と声を漏らした。まるで都会を
俺たちは中心部で下ろしてもらうと、すぐさま王国の使いの者がきた。どうやらレティシアが、里帰りすると連絡してたようだ。
俺たちは豪華な馬車に乗り換え、王城へ向かった。行商の荷台は、窮屈極まりなかったからな。軽トラから、リムジンくらい差がある。
◇ ◇ ◇
「父上、ただいま戻りました」
「おぉレティシアっ! よくぞ戻ってきた!」
玉座の間で初老の人物が、レティシアを迎えた。王冠を被っているので、この人が国王か。
「こうも早く戻ってくるとは予想外じゃ!」
「はい。
レティシアは視線を移しながら、国王に俺を紹介した。
「彼こそがヴァンクリーフ王国、
――おぉおおおおおおおおっっ!!
喝采が沸き起こった。兵士からは「これで人間側の勝利、間違いなしだ!」と歓声が上がった。えーと……これって、歓迎されてるって事でいいよね?
「姫……こんなにご立派になられて! 大臣は嬉しゅうございますぞっ!」
「落ち着け大臣。これで我々は、ようやくスタートラインに立てたといえよう。よく我が王国に来てくれた。礼を言おう」
はぁ……まだ何もしてないけどね。
「そして、改めてお願い申す。この世界を救ってくれ、マ◯オ殿っっ!!」
「誰がマ◯オやねんっ!?」
国王に俺は、全力で突っ込んだ。てか、さっきレティシアが紹介してたよね? 人の話、聞いてないだろ(呆)
「なんとっ!? この世界はどーでもええと? 我らは、お主しか頼れる者がおらぬというのに……」
「ちょっと待ってください。タダで引き受けるほどお人好しじゃないッスよ、俺はね」
「タクミ殿の言う通りです、父上」
レティシアは、俺の事情を国王に説明した。
「ほぅ……? するとタクミ殿は、元の世界に戻りたいと? 協力する代わり、その手掛かりを求めに来たのじゃな?」
「ええ、その通りです。他にも訊きたい事は、山ほどありますしね」
そもそもなんで、魔族と争ってるのとかね。
「あい分かった。帰還方法については、こちらで調べておこう。タクミ殿には、以下の『復◯の呪文』を教えよう。(中略)では、さらばじゃ!」
「勝手に終わらすな! てか、人の話を聞けぃ!!」
玉座の間に、俺の全力のツッコミが
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