第4話 『相棒』との出会い

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 ◆ ◆ ◆


 俺はいま冒険者ギルドにて、ステキ(?)な黄金の甲冑かっちゅうとご対面していた。なんでもこのギルドの『エース』(笑)らしい。


「あのー、ちょっといいッスか?」


 挙手すると、金ピカがジロリと俺を一瞥いちべつした。


「なんだ『異邦人』? 貴様のような『軟弱者』など、場違いにも程があるぞ?」


……なんかボロクソ言われてんな。まぁこれから世話になるギルドだし、一応下手に出とくか。


「すみません。僕、“ここ”に来たばかりで、右も左も分かんないッスよ。受付の人に確認したら、ちょうどメンバーを募集してるとか。出来れば、僕を加入させてもらえると助かるんですが……」


 これを聞いた金ピカ本人はもちろん、他の冒険者も俺に中指を立てながら爆笑した。


「おいおいおいっ!? まーた出たよ、勘違い『俺Tueee』クンが!」

「ダイヤモンド、教えてやれ! 冒険者は甘くねーぞってな!」


 四方八方から飛んでくるヤジ。まー異世界で、最初に『不遇』な目に遭うのはお約束だからな。


「フッ……いいだろう。貴様にこの世界の現実を教えてやろう」

「それって、俺が勝てたら『スカウト』するって意味でいいッスか?」


「いいとも。まぁ貴様が俺に勝つなど、ゴブリンがオーガに勝つくらいあり得んがな」


 えらい自信家だな。俺としては、メンバー入りを約束してもらったからいいんだけどな。ついでに色々と訊けそうだし。



 ◇ ◇ ◇


「いつでもいいぞ? 先手は貴様に譲ってやろう」


 金ピカは余裕綽々しゃくしゃくで、腕組みをしながら仁王立ちしていた。相当、腕に自信があるんだな。


「じゃあ遠慮なくいきますけど、ヤバかったら早めに降参してくださいね?」


 俺は一応、忠告しておいた。さて……流石に人間相手に、全力でスキルをぶっ放すわけにはいかない。

 かと言って、相手の力量も判らないので、ここは控えめ(?)に半分の力でいくか。


「……熱閃ファイアボルト(ボソッ)」


――ボジュ!!


 またもや『一瞬』だった。金ピカは全身の黄金甲冑がけて、プスプスと煙を上げながら横たわっていた……。


 てっきり、避けるか防ぐかすると思ってたんだけど……◯ムチャしやがって。


――シーン。


 静まり返る野次馬一同。おいおい……これじゃあ俺が悪役ヒールじゃん。おまけに肝心なことも訊けなくなったし……。


「ど……どーなってやがる。ウチのエースが一撃ワンパンだと……?」

「なんかインチキでもしてんじゃねーか? 明らかに火力がおかしいし……」


……ざわ……ざわ……と、色めき立つ観客ギャラリーども。このパターンって……まさか『出禁』とかないよね……?? 流石に?


「なんの騒ぎかしら?」

「あっ……レティシア!」


 群衆が真っ二つに割れ、一人の女性が静かに歩いてきた。金髪のロングヘアーで、ポニーテールだ。てか、異世界モノで一人はいるよね? こういう金髪碧眼へきがんキャラ。


 だが、俺はそのただずまいに圧倒された。明らかに金ピカとは、雰囲気が一線をかくしていた。並の使い手じゃねーな……。



 これが俺と『長年』相棒となる、レティシアとの出会いだった。

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