第3話 冒険者ギルド

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 ◆ ◆ ◆


 俺はテンプレ展開通り、馬車を助けて隣町まで乗せてももらった。約30分ほどで、そこそこ大きな街に到着した。


 ◇ ◇ ◇


「いやぁ助かりました。ありがとうございます」


「トンデモありませ~ん。ミーはこのタウンで商業ギルドをシテますので、ご入り用の際はヨロシクお願いしま~す」


 そこで俺は、行商にどこか手っ取り早く仕事を斡旋あっせんしてくれる場所はないか? と尋ねてみた。

 いつ還れるか判らない以上、食い扶持ぶちを稼ぐ必要がある。


 


「Oh! それなら『冒険者ギルド』にいくとイイネ! ユーの実力なら、スグ昇格クラスアップ可能ネ」


 行商は冒険者ギルドの場所、さらにお礼として革袋一杯の金貨を渡してくれた。いやぁ何から何まで助かるね。


 ◇ ◇ ◇


 行商に教えてもらった場所へ行くと、一際目立つ建物が見えた。あれが冒険者ギルドか。

 中に入ると、いかつい連中がジロリと俺に注目した。人間の他、ケモ耳を生やした奴もいた。異世界定番の獣人……ってヤツか?


 とりあえずカウンターまで行くと、これまた定番の若い受付嬢が対応してくれた。


「えっと……すみません。仕事を探しに来たのですが」


「見ない顔だけど、新人かい? 冒険者カードはあるかい?」


 冒険者カード……これまた定番だ。当然、そんなものはない。俺は首を横に振った上で、やっぱりないとダメかと訊いてみた。


「そだね~。ウチとしては、責任を持って派遣するからねぇ。まずは冒険者を目指してみたらどうだい?」


 受付嬢によると、冒険者になるには試験を合格パスするか、どこかのパーティーに『スカウト』されるのが必要だとか。

 試験は丁度終わったばかりで、次は一ヶ月後だそうだ。となると、どこかに拾ってもらうしかないか。


「……どこか、メンバーを募集してるところとかありますかね?」


 俺が訊くと、受付嬢は腕組みをしながら「うーん……」と唸った。


「あると言えば、あるんだけどねぇ……よりによって、募集中なのがウチの看板パーティーだからねぇ……」


 あーそういうパターンか。どうすっかなぁ……行商から貰ったお金で多少余裕があるとはいえ、食いっぱぐれになるのもなぁ……。



「ほぅ? 見ない顔がいるかと思えば、また・・迷い込んできたようだな」


 は……? 振り向くと、全身に黄金の鎧(!!)を纏った兄ちゃんが立っていた。

 冒険者ギルドって、白昼堂々と不審者が入り浸るのか……? それに『また』とか、意味不明な発言も気になった。


「あっ、ダイヤモンド君っ! しばらく見ないと思ったら、急に帰ってきて! 君はウチの看板パーティー……いわば『エース』なんだから、もう少し自覚を持っておくれ」


「まぁそうイキり立つな、ロゼよ。よもや『異邦人』と遭遇するとは、今日はツイてるぞ」


……おーい、お前ら。俺を放置して、勝手に話を進めるな。


 どうやら受付の姉ちゃんがロゼ、金ピカはダイヤモンドという名らしい。見た目どころか、名前までヘンな奴だ。

 それに金ピカ(面倒だからそう呼ぶ)は、決して聞き捨てならない事を言った。


 俺が『異邦人』……? 色々と知ってそうだな。それに『エース』のこいつをしばけば、手っ取り早くスカウトしてもらえそうだ。

 異世界に来て早々、色んなことがあるな。ハードな初日だぜ。

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